厨房から世界へ飛び出す料理人@50 Best Talks

授章式の前日にはシェフ達によるプレゼンテーション「50 Best Talks」へ。途中休憩を挟んで4人のパネリストが各30分でプレゼンする、いわば食の学会のようなものだ。


会場は、よくあるセミナールームかと思っていたら、円卓のテーブルが並んだ広い宴会場。各国からゲストを招いた結婚式のよう。


そして途中休憩に別室でサービスされた”Table snacks”が、軽食とはいえないくらい豪華でしゃれている。すぐランチが控えているというのに、がっついてしまいそうになるのを必死でおさえるはめに。

(え、十分がっついてるって?)

さすがシェフの学会だけあり、ファーストバッターの台湾「MUME」の発表では実際に料理のデモンストレーションが、3番目のシンガポールのバー「Native」のときには実際にカクテルが出てきて、五感に訴えるプレゼンが印象的だった(食べたり飲んだりしてると、眠くならない)。

何より楽しみにしていたのは、志摩観光ホテルの女性総料理長、樋口宏江シェフの登壇。4人のプレゼンターのうち、唯一の日本人&女性でもある。同じ日本人女性として誇らしい。
あまり女性女性いうと怒られるかもしれないが、実際まだまだ男性社会の料理業界。「ベストレストラン」では毎年「最優秀女性シェフ賞」を選出するなど、女性の活躍を応援しているという一面もある。


(今年の「最優秀女性シェフ賞」に選ばれたのはタイのボボンコック・ビー・サトンガン)



樋口シェフは落ち着いた口調で、伊勢志摩の食やサステイナブルな取り組みについて語った。伊勢志摩の魅力は十分に伝わってきたが、欲をいえば、ダイバーシティについてもう少し話が聞きたかったかな。


ビシッとしたコックコート姿とはいっぺん、授賞式のパーティーでは黒のカクテルドレスが落ち着いた雰囲気によく合っていてエレガントな樋口シェフ(写真左)。


とりのアンドレ・チャンはさすがの風格(イチローにちょっと似てる?)。鍛えられた体にフィットした質の良さそうなスーツ、インナーはあえてシャツではなくタートルネックとこなれた格好。トップクラスのシェフになるとセレブリティのオーラが出るのだな、とひとり感心……。アンドレさんは昨年自身のお店「レストラン・アンドレ」を閉じたばかりだが、今後の方針について語ったときの「これからは”レストラン・アンドレ”ではなく”アジア”に属する」という言葉が心に響いた。


(アンドレは「ダイナースクラブ ライフタイムアチーブメント賞」(特別功労賞)を受賞)

アジアのツートップ、アンドレ&ガガンのインタビューはこちら。

アジアを牽引し続けるTOPシェフ。ガガン&アンドレ・チャン、スペシャルインタビュー。(『One Story』独占記事)

記事の中では日本人シェフの弱みとして言葉(英語)とコミュニケーションの必要性について二人とも強調している。実際、樋口シェフも、のちの懇親会の場で「日本語しか話せないことも悔しく感じた(語学の勉強も頑張りたい)」とおっしゃっていた。シェフは今の時代、黙々と店で技術を磨くだけではなく、コミュニケーション能力が求められる時代なのだ、と思った。


(言葉以外のコミュニケーションも、もちろん大事!)