WSET受験者必読、WSETとは(まとめ)

ここ最近WSET関連の記事のアクセス数が急増しているので、これから受ける方へ参考になるように、WSET(Level3)についてまとめてみました。

●WSET(ダブリューセット)とは
Wine & Spirit Education Trustの略で、ロンドンに本部を置くワインアカデミー。
Level1〜Level4まである認定資格は世界約60カ国で行われている国際的な資格。Level3まで日本語受験が可能で、最難関のLevel4 Diplomaは英語受験のみ(日本でのDiploma保有者はわずか26名)。 

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日本で代表的なワインの資格といったら、日本ソムリエ協会(JSA)認定のソムリエ試験(ソムリエ/ワインエキスパート)ですが、こちらは日本独自の資格。WSETは世界共通の資格なので、外国の方にも通じるのは嬉しいところ。

ただ日本ではまだ認知度が低いので、「何の資格うけてるの?」って聞かれても、なかなか説明しにくいのが難点……。

資格取得のため通ったJプレゼンスアカデミーのHPに「WSET® の資格はワインを含むアルコール飲料を“流通から見た評価”という観点でスタートしています。」という一文がありますが、私は「目の前のワインのスタイル・品質・価格を理解し、正しく”評価”できるようになること」と理解しています。

ここで”評価”とあえてカッコをいれたのは、正当な批評・評価と好き勝手意見することをはっきり区別するため。プライベートでみんなで楽しくワインを飲むならいいのですが、真剣にワインに対するフィードバックが求められる場で、何でも「おいしい、おいしい」と飲むだけだったり、なんとなく意見するだけではプラスになりません。 

(プロ・愛好家にかかわらず)飲み手のレベルがあがる→品質の高いワインに淘汰され、おいしいワインが流通する→ワインライフが向上、みんな幸せという図式が生まれると思うのです。WSETはワインを”評価”するスキルを磨くにはうってつけの資格です。

●どのレベルから受ければいいの?
私はワインエキスパートを取得していたので、Level3から挑戦。チャレンジのため英語で受験しました。そのあたりの経緯はこちらをご覧ください。
3年間でワインのコメントはここまで変わる!私が英語受験を選んだ理由

Level1・2はすっ飛ばしてしまいましたが、今から思えば、知識の復習がてらLevel2あたりからはじめても良かったかも(もちろん下地がなければ、Level1から)。
WSETのカリキュラムは段階をふむことによって体系的な理解が身につくようになっていて、Level3の授業のなかでも、「Level2の教科書のあの部分を参照」と何度もいわれたし、結局Level2の教科書も買って読んでみたら、すごくコンパクトにまとまっていてわかりやすかったです。Level3受験者もLevel2の教科書は必読!

●WSET(Level3)とJSA(ワインエキスパート)比較
・ワインエキスパート:1次(筆記)+2次(テイスティング)→全てマークシート試験
 WSET Level3:テイスティング+記述(マークシート+ショートエッセイ)
→記述問題はマークシート50点に対し、ショートエッセイは100点と論述問題の配分が高い

・テイスティング試験はワインエキスパートは6種類(白赤各2種類+その他のお酒)に対し、WSETでは白赤1種類ずつ(ただし記述式)。その他のお酒のテイスティング対策不要!

・筆記試験ではワインエキスパートのほうが、細かい知識が問われ、選択問題が難解。
WSETでは選択問題は比較的簡単。暗記よりロジック重視なので、イタリアDOCGもボルドー格付けも覚えなくていい! 
→その分記述試験ではロジックが通ってないと、いっぱい書いても点に結びつかない

・ネットに情報が溢れているワインエキスパート試験と違い、WSETは過去問がなく、どう対策していいかイマイチわからない

WSETではワインのスタイル・品質・価格といった事実(What)に加え、Why&Howの部分が重要になってきます。

たとえば、ドイツ。
ワインエキスパートのときは、栽培面積大小の産地を覚えたり、特別畑の名前を必死に覚えたりしました。「一番東に位置する栽培地域は?」→「ザクセン!」反射的に応えられるように単語帳で練習したものです。
WSETでは、もちろん場所や用語も押さえなければいけませんが、重箱の隅をつつくような問題は出ません。
そのかわり、「モーゼルの気候上の課題はなにか。それらの課題を克服するために役立つ畑の特徴を3つ説明せよ」なんて聞かれたりします。
モーゼルの気候上の課題(=What)の部分を、Why&Howで説明しないといけないのです。

はじめ問題を見たときは、私も「うっ、難しそう……無理。」と思ったけれど、理解して腑に落ちるとどんどん勉強が楽しくなってきました。なぜならそれは”知識”ではなく、”理解”なので、他の産地に応用することができるから。そうして理解の輪が広がると、今までバラバラだった世界のワイン産地がつながって、ますます楽しいの好循環。

……となんだかWSET大好きなひとになってしまいましたが、実際受験者の体験談を聞いても、「考え方が理論的で勉強になった」「勉強が楽しかった」「目からうろこ」などの意見が大半。個人的にも挑戦して良かったと心から思える資格です。

ちなみにWSETは4/10月の年2回スタート。
頑張れば独学でもとれるワインエキスパートとはちがい過去問等もないのでスクールでしっかり対策することが重要。無料説明会もやっているので、迷っている方は試しにどうぞ→こちら

実際の試験については以下も参考にどうぞ。

WSET Level3 テイスティング試験のふりかえり

WSET Level3 記述式試験のふりかえり