3年間でワインのコメントはここまで変わる!私が英語受験を選んだ理由

なんだか自己啓発本のタイトルみたいですが……(汗)。

WSET(Level3)受験にあたり、英語が得意でもない私が、あえて英語受験という、いばらの道を選んだ理由、で結局どうだったかをまとめてみました。 言語選択の際の参考になれば、と。

WSETの試験で採用されているSAT方式のテイスティングは、試験をうけなくてもワインのコメント力をアップさせたいなら、覚えておいて損なし!

level-3-wines-sat-english


ちなみに3年前、シャトーパルメ89年を飲んだ私のメモ↓
「まず香りが良い。今までのんだ中でも香りはとりわけよい。香り8割。とりわけグッとくるものがある。かなり、エロス。ジビエにあいそう」
(3時間後)
「カベルネ、きた!!なまめかしい」
おいおい、これじゃぁパルメが泣くよ……。定点観測してるのは、えらいけどさ。

これが現在は……

(キャンティを飲んで)
medium ruby with legs,
Clean, medium intensity with aromas of red fruit(red cherry, raspberry), herbaceous(blackcurrant leaf), animal(leather), mineral(earth, game)
pungent spice(black pepper, liquorice), youthful
Dry with high acidity, medium+ tannin, medium alcohol, medium+ body with medium flavor intensity of red fruit(red cherry, raspberry), animal(leather), mineral(earth, game)
pungent spice(black pepper, licorice), spicy!!  medium finish
This is a good quality wine, Drink now: not suitable for ageing
medium priced

うん、3年でこの進歩は、なかなかだと思いませんか。

まず、なぜ今回英語受験を選んだか。なんかまじめモード(キリっ)。

「ワイン用語は日本語に訳すとまどろっこしいものが多いし、英語の方がわかりやすくていいよ!」というのは英語上級者の言い分。
私の英語レベルといえば、留学経験なし、海外放浪経験あり(全部ボディランゲージでのりきった)、TOEICは大学時代に最高で795点、いまはおそらく相当落ちてて600点くらいだと思います。読むのは時間かければなんとかいけるけど、書けない、話せない、リスニングの理解度は半分くらいでしょうか。

今回WSET受験にあたり、ワインスクールに通ったのですが、ベースは日本語クラスでうけ、ためしに英語クラスにチャレンジしてみました。そしたら、講義の内容が半分くらいしか理解できず、こりゃ試験に差し障ると思い、英語クラスは2回で断念。無念でした……。

こんなしょぼい英語レベルなら、「日本語でも受けれるなら、そっちで手っ取り早く確実にとっちゃえばいいじゃん!」というのが正論。資格を取得することだけが目的なら私もそうしてました。

ではなぜ私がいばらの道を選んだか。
ひとつに、Level3受験を決めた時に、いろいろ調べたところ、WSET Level3=日本ソムリエ協会の資格と同じくらいの難易度とあったこと。
うーん、ワインエキスパートは取得しているから、もうワンランクレベルアップさせて自分に負荷をかけたい。それなら英語かな、と思ったのでした。
あとから考えれば、WSETとソムリエ試験のアプローチは全く違うので、この指標はあまり当てにならないものでもあったのですが……。

もうひとつ、最大の理由は、英語でのテイスティング技術を身につけたかった。

ワインエキスパート試験で体系的なテイスティング方法を学んだことで、だいぶ他人でも理解できる(もわもわ、とかじゃない…笑)テイスティングコメントが書けるようにはなっていましたが、いざ英語となると、言葉が出てこない……。

2年前にシャンパーニュ地方のローラン・ペリエを訪れたときのこと。以前働いていたシャンパーニュ・バーの常連さんの紹介だったので、VIP待遇でおもてなしして頂き、いろいろ良いものも試飲させてもらったのですが、私がシャンパーニュ・バーで働いていることを知っているメゾンの男性が「じゃあソムリエさん、コメントは?」と美しい顔をこちらに向けて聞くのです。  「f,fruity……えーっとえーっと」という状況。もう恥ずかしいったらなかった。日本の恥。ごめんなさい、と土下座したかった。

と、こんな赤っ恥経験があり、これはまずいぞと火がついたわけですが、日本にいても、それは同じ。ワインに携わっている限り、来日した海外の生産者と話す機会が多い。せっかく遠いところから来てくれた生産者と、直接何にも話ができないのはもったいない!という気持が常にあり、できればフランス語、でもそれはハードルが高いからせめて英語は、と思っていました。

で、実際英語で勉強してみてどうだったか。
正直、英語のテキストを読むのも、単語をひきながら読むので時間がかかって大変でした。

“alluvial”って、なんやねん!(怒)

記述式問題は、小論文形式でびっしり英語で書かないといけないので、単語や文章がすらすら出てこない私は、書いては消し書いては消しで時間がかかる。「結局何も書けないんじゃないか……」という不安が常にありました。
なんとか書けても、「採点者は英語として理解できるのか」という心配も(ああ、だから今回の結果もどきどきです)。

ただ、書けないことを言語のせいにしてはいけない。
たとえ日本語でもロジックを理解していないと、書けないものは書けない。

で結論として、英語選択はどうなのか。
日本語で勉強するよりも圧倒的な勉強量(ワイン+英語)が必要だから、勉強に時間がとれない英語初級者は厳しいかも。

でも、時間があるなら、意欲があるなら、ぜひ英語受験してほしい(たとえ一発で受からなくても)!

ワインの専門用語を英語で理解できるようになる、というのはかなり大きなメリットで、その後に活かせるスキル。
なんだかんだいってワイン英語は日常会話とは違ってボキャブラリーも限られているし、ワイン英語をある程度使えれば、海外の生産者とも少しは話ができるようになると思います。

私自身も、先日タイのワイナリーを訪問した際、片言でも以前よりは聞きたいことが英語で聞けて、ちょっと前進したかも、と嬉しくなったのでした。

まとめると……

◆日本語
・メリット:再短時間でWSETのアプローチを学べる
・デメリット:Diplomaにいくときに困る(Diplomaは英語受験のみ)

◆英語
・メリット:ワインと同時にワイン英語も勉強できる!
・デメリット:効率が悪い(大変)

ちなみに、再試の際の原語変更は、残念ながらできません……。
わたしは「今回英語で挑戦して、だめだったら次日本語でうけよー」と軽く考えてたら、試験申込〆切前日にそれができないことを知り、たじろぎました。言語選択の際は、熟考されることをおすすめします。

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