記憶に残るワイン、ハンガリーとジョージアの試飲会にて

ハンガリーとジョージア(旧グルジア)ワインの試飲会にお招き頂き、10種類のワインをテイスティングしてきました。

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ジョージアは2014年にカヘティ地方のワイナリーを個人でいくつかまわり、それが意外と大変だったこともあり(情報がなくて)思い入れがある国。
食事は素朴でおいしく、人は優しくワインに溢れた、酒好きには天国のようなところで、首都のトビリシは夜景が美しく(ちょっとやり過ぎ感はあるが)、今までで訪れた国でもトップ5に入るくらい大好き。
なによりワイン発祥の地といわれ、その歴史は約8000年。ジョージアワイン自体は、万人にうける味ではないけれど、自然なつくりが生み出す、言葉ではいいあらわせない魅力があるんですよね……。
なんだか身体にしみ入るような、身体に必要な水分を摂取している感覚というか。

欧州品種からも高品質なワインをつくっているけれど、ジョージアといえば、なんといってもクヴェルリ製法で作られる独自品種が飲みたい! 

今回頂いた5種のジョージアワインも、ルカツィテリ、ムツバネ、キシ、サペラヴィなど独自品種がずらり。サペラヴィは日本でお栽培されていて、丹波ワインや天橋立ワイナリーがワインをリリースしています。ちなみに天橋立ワイナリーのサペラヴィ赤、4月に開けたらすごくよかった(そのときの記事はこちら「日本のサペラヴィの可能性、天橋立ワイナリー」)。

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個人的に好きだったのは、キシ種100%のほんのり甘口の白。香り華やかで熟したリンゴやアプリコット。飲むと酸はやや低いんだけど、そのゆるい感じが心地よい……。とろりん。 
こういうワインは、休日の午後に、お菓子でもつまみながらゆるゆる飲みたいな。


ハンガリーワインを紹介してくれたのは、片木雄詞(かたぎゆうじ)さん。
トカイワインに魅せられてハンガリーに移住したという、生粋のハンガリーワインラヴァー。日本にハンガリーのワインを輸入し、ハンガリーワインの魅力を伝えながら、ご自身でワインもつくっておられます。

何より会社名が(株)フルミント (フルミントは、ハンガリーを代表する白ぶどうの品種名)というからすごい。

ハンガリーワインはトカイの甘口しか飲んだことがなかったので、今回フルミントやハーシュレベリューの辛口を試飲させていただいたのは新鮮な体験でした。

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一番印象に残ったのは、なんといっても片木さんが作ったフルミント100%の辛口白。2013年。
アプリコットやダージリン、あまい紅茶。貴腐を連想させる香り。
「お?甘口かな?」と思いきや、味わいはドライ。しかし、なにより果実の凝縮感と複雑さがとびぬけて素晴らしく、しばしうっとり……。
高い酸とアルコール(15%)、ボディの厚みのバランスが極めて高次元でとれているというか。余韻も非常に長く、熟成したらとんでもないことになりそう。こりゃ姉さん事件です!


ちなみに、セレレミという畑名は、「愛すべき・魅力的な・愛おしい」という意味があるそうで、「この畑名のように長期的に愛されるべき、特別の時に開けたくなるワインのひとつに」という片木さんの思いが込められています。

「もし一生のうちにその人の飲めるアルコールの量が決まっているなら、おいしいのはもちろん、記憶に残る芸術的なワインを」

配布された資料のなかで、きゅーんと刺さったひとこと。そう。その1本に出逢った時の強烈な快感が忘れられなくて、ワインの世界にどっぷり浸かってるんだもん。

写真がないのが残念だけど、この日の片木さんは着心地のよさそうな、民族風の襟なしの白い半袖シャツ(襟元に茶色の刺繍が入っていて、それがまたすてき)を着こなしておられ、つい気になって「そのシャツはどちらで……?」ときくとやはりハンガリーで買い求めたものとのこと。 

テイスティングさせて頂いたワインもすばらしかったけど、なにより片木さんのハンガリーへの愛に感動したのでした。