セルビアワイン試飲あれこれ

食・ワイン

セルビアの原稿を書くにあたり、お世話になったのが日本にセルビアワインを輸入している株式会社マコトインベストメンツさん。モンドデリシャスという通販サイトも運営されています。

オフィスで取材させて頂きながら、セルビアワインも色々試飲させて頂きました。

対応してくださったのは、取締役のシュミット孝子さん。お綺麗な方でした〜。

セルビアの主要品種といえば?
まず名前が上がったのが、黒ブドウのプロクパッツと、白ブドウのタミヤニカ。いずれも固有品種です。そのほかにもシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、イタリアン・リースリング、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、マスカット・ハンバーグ等も栽培されているそう。 

飲ませて頂いたのは7種類。セルビアワインを飲んだことがない私にとって、未知の世界……。どきどき。

 

まずはタミヤニカ2種類から。タミヤニカはアロマティック品種なので、基本的には華やかな香りが特徴。ただこの2種類は全然タイプが異なり、飲み比べしがいがありました。

左:Brestovacki Winery TAMJANICA 2016(ブレストヴァチキ・ワイナリー・タミヤニカ) ¥3,300(税抜)
右:Ivanovic Winery TAMJANICA 2017(イヴァノヴィッチ・ワイナリー・タミヤニカ) ¥3,300(税抜)

 

セルビア南部、Zupa地方にあるイヴァノヴィッチ・ワイナリーのタミヤニカは、タミヤニカ85%にリースリング15%をブレンド。白い花、ブドウをそのままかじったようなフレッシュ感。オフドライの柔らかい口当たり。ワインを飲み慣れていない人でもわかりやすい美味しさです。個人的に、アロマチックすぎないところに、アルゼンチンのトロンテスを連想しました。

対して北西部のフルシュカ・ゴーラにあるブレストヴァチキワイナリーのタミヤニカ100%のワインは、ややニュートラル。辛口で酸が高く、独特の風味がありました。「冷やしすぎると香りが飛んでしまうので、注意が必要」と孝子さん。例えば試飲会場で、キンキンに冷やされて並んでたら良さが伝わりにくいワインかもしれません……。

 

そしてロゼ。パンフレットに寄稿したコラムに詳しく書いたのですが、セルビアでは「ルジツァ」という濃い色のロゼが伝統的によく飲まれています。左の濃いロゼがルジツァ。小さな薔薇という意味だそうです。



(こちらは日本未入荷)

セルビア中部から南部で生産されており、そのエリアの主要品種プロクパッツを50%以上使用。

ルジツァの一般的な特徴を聞くと、「作り手によって風味の特徴は少々異なりますが、ラズベリー、ストロベリーといった赤系のフルーツの香りに、ダークチェリーの風味も感じ取れます。フルボディのフルーティな味が特徴的」と孝子さん。 試飲させて頂いたものも、やや甘めで、フローラル&フルーティー。最近はセルビアでもドライロゼの人気も高まっているそうで、ドライロゼと飲み比べさせていただきました。

 

映画には赤ワインは出てきませんでしたが、赤&ロゼ:白の生産比率は約半々。セルビアでは質の高い赤ワインも造られています。

特に有名なのが、固有品種のプロクパッツ。ジャンシスの記事でも、プロクパッツがフィーチャーされていました(”Made in Serbia“)。

 

Toplicki Wnery Prokupac 2015(トプリチキ・ワイナリー プロクパッツ) ¥3,800(税抜)

ブラックチェリーや赤系フルーツに、スパイシーな香りが特徴的。樽からくるチョコレートのアロマも。それなりにボディはありますが、タンニンがソフトなのでいい意味で飲みやすい。ジューシーで、美味しかったです!

そして国際品種のレベルも高いです。驚いたのが、セルビア王朝で愛飲されていたという通称「セルビア王室ワイン」の品質!孝子さんが惚れ込んで、最初に輸入したワインだそう。

 

アレクサンドロビッチワイナリーのRegent Reserve(リージェント レゼルブ) ¥4,500(税抜)は、ボルドー品種(CS 50%、Merlot 50%)から造られていて、ブラックベリー、ダークチェリーなどの果実香に、チョコレート、ドライ・ローズやトリュフのような香りも。しっかり熟成感が出ていました。インパクトはありますが、熟した柔らかいタンニンと重すぎないボディで、エレガント。さすが王室ワイン。

 

 (Regentは伝統の意味)

セルビア出身のテニスプレーヤー、ノバク・ジョコビッチ選手も、自身の結婚式の赤ワインに使用したそう。ちなみにジョコビッチ選手といえば、実家がピザ屋でありながら「グルテン・フリー」を世界に広めた超本人ですが……セルビアワインの特徴は、「グルテン・フリー」ならぬ「保存料・フリー」なこと。保存料として食品等に使われるソルビン酸を使わないのが伝統だそうです。ブドウ栽培も、オーガニックに近い栽培方法が昔からデフォルトだといいます。

 

そして1000本限定生産のRodoslov(ロドスロフ) ¥7,800(税抜)。 CS 70%、Merlot 20%、CF10%

野生的なゲイミーな香りや土っぽさ、黒胡椒のようなスパイシー感があり複雑。少し乾いたタンニンの質にカベルネの特徴が出てるなと思いました。フルボディですが、こなれていてやっぱりエレガント。これはじっくり飲みたいワイン(ということで、図々しく試飲ボトルを頂いちゃいました、ありがとうございます><)。

一番左はセルビアの国民酒、ラキア。映画のなかでも登場しました。 プラム味が一般的なようです。度数50%のフルーツ・ブランデーですが、アルコール臭さが全くなく、ついクイっとグラスが空に。職務を忘れそうになりそうになりました……。

 

どこの家庭にも必ず常備されているというアイバル(パプリカ・ペースト)も、人口調味料、保存料無添加。魚やお肉、パンにつけても美味しいと聞き、2瓶ゲットしたのですが、美味しすぎて3日でなくなりました……。

 

パンフレットも無事完成。取材協力、ありがとうございました。

 

*セルビアワインやアイバルはこちらから購入可能です→モンドデリシャス

*セルビアワインについてもっと知りたい方はこのあたりをどうぞ ・The Rosés of Serbia by Elizabeth Gabay MW ・Made in Serbia – Jancis RobinsonSerbia’s finest wine regionsInternational Prokupac Day 2017 in Belgrade, Serbia

コメント

タイトルとURLをコピーしました