ある夜の楽しみ。

「ただいまー。」
「おかえりー。ご飯もうすぐできるよー」
・・・
「はー、つかれた〜」と食卓に座った夫の前に、それぞれ別のワインの入ったグラスを3つ差し出す。銘柄を見せない状態で、まずはワインを飲んでもらうのが、私の密かな楽しみである。
それから感想を聞き、好きな順番を教えてもらう。

今回出したのはミュスカデ3種類。
スッキリ辛口の2018、トロピカルな風味の2012(通称グラマラス)、そして控えめで落ち着いた味わいの2009(通称おじいちゃん)。

ワインの紹介記事を書くお仕事のサンプルで、午前中試飲していたワインたち。
熟成したミュスカデというちょっと珍しいタイプ。

彼が好き勝手に述べる感想を聞いて、思わずにんまり。
だって、好きな順番が私の評価と一致してるんだもん。そしてそれは、キレイに価格に比例していたりするから恐ろしい。

何より
「グラマラスは単体で飲んで美味しいけど、食中酒としてならおじいちゃんかな」
などの一飲み手としての率直な感想が、ワインにどっぷりはまっている立場からすると、とてもありがたい(WSET的にワイン単体を評価するのと、一般的なシチュエーションで楽しむのでは、たまにズレが生じることもある気がするので)。

あとは思うのは、味覚に対しての自信を持つことの大切さ。「えらい人がこう言ってるから、そうなんだ」という固定観念に縛られずに堂々と意見を言える人は格好いい。

こういう何気ない夜に楽しみを感じられることが、食を共通の趣味とする人と一緒にいる最大の利点と言えるのかもしれません。人間は毎日食べる訳ですから。