国内ワイン生産量ナンバーワンの県といえば?

国内でワインの生産量ナンバーワンの県をご存知でしょうか?
やっぱりワインといったら、山梨?長野?山形?さいきんは北海道もワイナリーが増えてきているし……

実は、ナンバーワンはなんと神奈川県なのです。
「ええっ!だって、神奈川ってぶどう畑のイメージもないし……」と意外な気がしますが、その理由は、こちらにありました。



メルシャン藤沢工場は、なんと神奈川県産ワインの90%を製造しています。
見学ツアーに参加させていただきました(※ふだんは非公開とのこと)。



スーパーやコンビニなど身近なところで見かける商品がずらり。価格が手頃な「デイリーワイン」をつくるのが、藤沢工場のミッションです。

「輸入ワインを国内で瓶詰めしたり、海外原料をもとにワインをつくる際に、横浜や東京港から1時間圏内の藤沢は工場の立地に向いています」と教えてくれたのは、副工場長。


ずらりと並んでいるのは、3.5倍に濃縮した海外原料の入ったドラム缶。ちょっと衝撃的な光景です。 
この原料を加水して戻し、発酵。それをベースに他の海外産ワインとブレンドし、ろ過(遠心分離)、酒石酸の処理など仕上げをしてからパッケージという流れ。


メルシャンでは、海外のワインを瓶詰しない状態で輸入し、国内でボトリングもしています。
一気に大量の運搬が可能になるので、コスト減だけでなく温度変化が少ない(平均18度をキープ)、重いボトルを輸送するのに比べCO2の排出量が削減できる(50%減)などメリットもたくさん。世界のマーケット的にもバルク輸送は増えています。



(「ワールドセレクション」シリーズに「テンプラニーリョ フロム スペイン」が登場、2017年8月22日発売)

海外原料がもととなるデイリーワインにとって、原料価格は大事なポイント。
すでに関税が撤廃されているチリに加え、2015年のEPA発効でオーストラリアのバルクワインの関税も即時撤廃になりました(ボトルワインの完全撤廃は2021年)。先日合意したEUとのEPA交渉が発効されたら、影響をダイレクトに受けそうですね。



その後は包装ラインを見学。計12本の製造ラインを持っています。


包装だけでもこんなにたくさん。ペットボトルがへこんでしまうのを防いだり、酸化しにくくするための工夫がつまっています。


さいきんはようやく認識が広がってきた気がしますが、国産ぶどうのみを使用した「日本ワイン」と海外原料や輸入ワインをも使用した「国産(国内製造)ワイン」は別物。メルシャン藤沢工場で造られるデイリーワインは、「国内製造ワイン」にあたります。

生粋のワイン・ラバーが目を向けるのは「日本ワイン」。
日本ワインしか飲まないという消費者、日本ワインしか置かないというお店も多いでしょう。

だけどそれはほんの一部のマーケット。日本で造られたワイン全体でみると、純正「日本ワイン」の割合は全体の18.4%(2015年ベース:2016年11月の国税庁調査より)。 
価格面、手に入りにくさなど消費者としてみると課題も多いです。

「日本ワイン」と「国産ワイン」。混乱を防ぐためにも区別することは大切だと思います。
でも、どちらがいい悪いではなくて、どちらにもマーケットがあって、存在意義がある。

偏りがちな視点をフラットに戻してくれるような貴重な機会でした。

さて、次はいよいよ楽しみにしていた「魚介とワイン」のセミナーへ。後半へ続きます。