「ポメリーソムリエコンクール2017」決勝レポート

9年ぶりに開催された「ポメリー・ソムリエコンクール 2017」、優勝はホテルニューオータニの野坂昭彦さんに決定。


2017年10月30日に赤坂プリンスクラシックハウスで開催された公開決勝に行ってきました。

(ポメリーカラーのブルーの着物で)

特別審査員のポメリー・ブランドアンバサダーのマテュー・シャプティエさん、パリジェンヌで女優のクララ・ボダンさんが登場すると、鳴り響くシャッター音。 
まだ選手が登場してないにも関わらず盛り上がる会場……それくらい絵になるお二人でした。クララさんのみごとな髪型といったら……(まさにポンパドール!)


午前中に行われた準決勝を突破した5名が午後の公開決勝へ。

◆決勝進出者(敬称略) 
中西 祐介(Clos Y) 
野坂 昭彦(ホテルニューオータニ) 
佐々木 健太(L’AS) 
森上 久生(HAL PINOT) 
瀧田 昌孝(パレスホテル東京)

個人審査の課題は全部で5つ。

まずはテイスティングから、透明のグラスに注がれたワインのフルコメントを3分で求められます(英語かフランス語)。フランス語を選択したのは2名、森上さんと中西さんでした。

トップバッターの瀧田さんはテイスティングコメント+供出温度、適したグラス、合わせるお料理(大山チキン!)、また醸造法など語ったうえでコンクルージョンに持っていき、みごとなコメント。96のポメリー・キュヴェ・ルイーズと解答(正解は99のキュヴェ・ルイーズ)。 
同じく高得点だった森上さんは、流暢なフランス語で落ち着いて回答。


テイスティング問題2つめは、黒い三つのグラスに入ったスパークリングワインのアペレーション・品種・国・製法を3分で答えるという問題(日本語)。 
この問題はワインのコメントが求められるわけではないので、テイスティングコメントを言いながら回答する選手もいれば、ほぼ無言でテイスティングし、答えだけ回答する選手……飲む順番や回答の順番もさまざまでした。


正解は……

1. プロセッコ Bele Casel Asolo Prosecco Extra Dry
2. オーストリアのゼクト
 Steininger Gruner Veltliner Sekt 2014
3. 日本酒スパークリング
 七賢 スパークリング 星ノ輝


日本酒はさすが全選手正解しておりましたが、意見がわかれたプロセッコとゼクト。プロセッコはモスカートと答えた選手が2名、正解したのは野坂さんだけでした。

ゼクト(しかもグリューナーフェルトリナー!)はこれは難問、正解者ゼロ……イギリスの瓶内二次製法と答えた方が2名もいたのには驚きました。よほど酸が高かったのでしょうか……。

3つめの課題は、プレゼン能力を求められる問題。 
ポメリー・アンバサダーとしてホテル・レストランの支配人に「ポメリー・ブリュット・ロワイヤル」の年末年始の販促について3分間でプレゼンせよ(日本語)、というお題です。この問題は事前に選手に伝えられていたとのこと。それにしても、短時間で内容をまとめるのは難しいですよね。 
実際に具体的な数字をあげて説得力抜群だった瀧田さんと野坂さんに高得点。


そして見せ場のサービス(英語かフランス語)。


毎回ソムリエコンクールのサービスには、何かトラップが仕掛けられており、その「事件」に臨機応変に対応出来るかどうかが審査の重要なポイントになります。今回は、お客様から注文されたシャンパーニュ(ポメリー ミレジメ グラン・クリュ 2006)が冷えていない……という罠。脇には冷えた「エドシック・モノポール」が1本。さてどう対応するか、といった問題でした。

さすがにワインが冷えていないことには全選手気づいた様子。高得点だった瀧田さんは、はじめにきちんと自己紹介をし、礼儀正しい印象でスタート。そしてご注文のシャンパーニュをデキャンタにうつして早く冷やすのはどうかと提案したうえで、その間にお料理をゆっくりご覧下さい、とナビゲート。
「日本ははじめてですか?」といった場を和ませるような会話も……ムッシューにテイスティングをすすめたところで時間切れとなりグラスに注ぐまではいきませんでしたが、全選手の中で最高得点となりました。

他の選手は「まずは先にエドシック・モノポールをお楽しみ頂き、その間にご注文のワインを冷やす」という方が多かったのですが、ポイントとなるのは、冷やしながらもお客様がオーダーしたものをいかに早く提供するか。そしてかわりのワインを冷えていないおわびに無料で提供するのか、「まずは別のものを一杯いかがでしょう」ときちんと売上げにつなげるかも、ソムリエ=ワインを売る仕事という意味で得点に左右したようです。優勝の野坂さんは、きちんと(ちゃっかり)「By the glassでいかがですか?」と提案。それからマダムにも「こちらのワインです」とラベルをしっかり見せていたのも好印象でした。

同じく冷えた代わりのワインを先に提供をしたあと、ご注文のワインをデキャンタで冷やす提案をしていた中西さんは、抜栓後のミュズレとコルクをお皿にのせてテーブルに置いたところに、実際のお店での接客が透けて見えました、個人的には嬉しいサービス!


会場を沸かせたのは佐々木さん。「英語はどこで勉強したの?」というクララさんの質問に対し、「In my house!」と答え、会場笑い。冷えてないボトルを氷水につけてクルクル手でまわして「(さきほど冷えるまで10〜15分かかるといったが)10分で冷えます!」といってまた笑いを誘うなど、一気に会場が和んだサービスでした。


次は、料理の提案。ポメリーの四季シリーズ、春夏秋冬の4本のシャンパーニュに合わせてそぞれ別の国の料理を提案し、コース仕立てでおすすめするという問題(3分・日本語)。

季節感を意識し、春夏秋冬それぞれに味わいやタイプがそれぞれ異なる四季シリーズ。春色ロゼのSpring、白ぶどう100%の爽やかSummer、ほんのり甘めで温かみのあるFall、そして黒葡萄100%のこっくりとしたWinter。 
選手はまずこの4つの味わいの特徴をきちんと把握し説明したうえで、料理を提案することが求められます。ここで注意すべきが、すべて違う国の料理でなければいけない点。 
森上さんは、Summerにふぐのカルパッチョ(すだちとゆずのソース)、Fallに天ぷらと舞茸、Winterに鱧と松茸の土瓶蒸し、そしてSpringの途中で終了と、和食に偏ってしまったため点数が伸びず……とてもおいしそうでしたが……。


最後は画像問題。オーナーのポール・フランソワ・ヴランケン氏の写真や「クロ・ド・ポンパドール」の畑の写真などが映し出され、問題に答えられるかどうか……どの選手も苦戦していました。

(写真は新しいシェフ・ド・カーヴのClément PIERLOTさん

個人審査がおわると、最後は合同審査です。
マグナムボトルを15杯どりできっちりサービスできるか?ただし一度注いだグラスには戻れません。制限時間は2分。


スピードは確かに重要なのですが、求められるのは正確さ。きっちり100mlの量注げたグラスの数だけがポイントになるので、80ml×15脚すべて注げてもNGということになります……厳しい。


そうして優勝した野坂さん。賞金100万円のほか、フランス研修やポメリーキュヴェ・ルイーズ6Lが授与され、1年間ポメリー・アンバサダーとしてご活動されます。 
出場された選手は、午前中からの準決勝から一日がかりの審査でそうとう疲労がたまったことと思います。お疲れ様でした!