シャトー・メルシャンの新たな挑戦

シャトー・メルシャンが長野県塩尻市で新たなぶどう畑をスタートするということで、植樹式を取材してきました。

塩尻といえば、メルローの銘醸地。その地を有名にしたのは、日本最高峰の赤ワインのひとつ、「桔梗ヶ原メルロー」。 
1985年の初ヴィンテージがいきなり国際的なワインコンクールで大金賞をとり、ボルドーワインにひけをとらない日本の赤ワインとして脚光をあびてきました。いまの日本ワイン業界を牽引する存在である「ボーペイサージュ」、「小布施ワイナリー」、「城戸ワイナリー」の3人の醸造家は「ウスケボーイズ」の呼び名で知られ、本も出ているのですが、その名前のもとになった麻井宇介(うすけ)さんのつくった「桔梗ヶ原メルロー」を飲んで人生がかわったといっています(『ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち』より)。

ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち

「桔梗ヶ原メルロー」誕生から約30年、シャトーメルシャンはまた新しい一歩を踏み出しました。


新ヴィンヤードの場所は、桔梗ヶ原からすぐ近く、60mほど標高の高い片丘地区(標高約800m)。正面にアルプス山脈をのぞむ風光明媚な土地で、南西向きのゆるやかな斜面は日当りがよく、まぶしくて目を明けていられないほど。 
また背後の山からふきおろす風により風通しも良好。ゼネラルマネージャーの松尾氏が「土地にたった瞬間、ここならうまくいくだろうと確信した」というのも納得の、好条件に恵まれた土地です。

(メルシャン新社長に就任した代野照幸氏、塩尻市長の小口利幸氏より挨拶のあと、メルシャンゼネラルマネージャー松尾弘則氏から畑の説明)

2017年は3haの土地に約9000本植栽するとのこと。メルシャン社長、塩尻市長による植樹式のあと、メディア陣も植樹体験に参加させていただきました。

水はけの良い、砂利や小石を含む壌土。このあたりにはレタスやそば、とうもろこし等が栽培されていたというから、そんなに肥沃でないのもぶどうにとっては好条件。
驚いたのが、にぎりこぶし大の石がごろごろしていること。畑のすみには小石が山もりに。 
本来であれば石は日中太陽の熱を吸収し、夜間に熱を発散してくれるのでぶどうの成熟にはいいはずなのですが、将来機械化をすすめることを考えてボランティアの方に拾っていただくそう。


(苗木間は1m、畝間は約2.5m。畝間を広くとっているのも機械化を視野に入れてのこと)



(ランチではメルシャンの長野産ワインを頂きました)

午後は「桔梗ヶ原メルロー Signature」の畑、平出圃場を見学。
シャトー・マルゴーのポール・ポンタリエさんのアドバイスにより2000年から垣根栽培をスタート、3年前からはぶどう木の均一性を重視してギュイヨ・ドゥーブルを採用しています。

今回植樹された片丘地区は気候条件の良さからも「桔梗ヶ原」に続く銘醸ブランドとして期待される土地。 
初リリースは2025年頃ということですが、どんなワインに育つのか今から楽しみです。その頃には私も熟成していますように。

(2017.4.27取材)