老後のひとつの夢……

きもの

年末が近づき、今年のことは今年のうちにしたためておきたい、と思うけれど、全然追いつかない今日このごろです。

さて、12月、個人的に大きかった出来事といえば、はじめて茶事に参加したこと。

といっても、正式な茶事というよりは、ふだん教えて頂いている先生のご自宅にて茶会形式のお稽古だったのですが、はじめて自分で着物を着て茶事に参加する、という意味で、大きなイベントでした。

4時間半という長丁場のお稽古で、先生自ら茶懐石をふるまってくれました。懐石の作法も全然心得ていないけれど、先輩に教えて頂き、その合理性に膝をうったり、あらためて、この美しい文化を持つ日本が好きだと思う時間。


着物は、「少しはお淑やかになるように」という願いを込めて、30歳の記念に仕立ててもらったもの。ピンクは普段あまり着ないけれど、少し薄紫がかった上品な色がお気に入り。 
帯は西陣織、豪華だけどやりすぎない感じが、好みです。

この日面白かった会話。

先輩「あら、素敵な帯ね。博多(=博多織)?」
私「いえ、名古屋(=名古屋帯)ですっ」

博多は織の種類。名古屋は帯の種類。
とっさに地名を言われてギャグのような返答をしてしまったのですが、「かわいいわね。」とにっこり受け止めてくれた優しい先輩。 
(この会話をFacebookに上げたら、「その帯を博多織と間違える人が、知らなすぎ!」などコメントもあったのですが、苦笑) 
こんなおボケなやり取りも、後の笑いの種になっていくんだろうなあ、と微笑ましく(苦々しく)思い返すのでした。

お茶をはじめて3ヶ月。あいかわらず和菓子も畳の上に転がすし、素っ頓狂な言動で先生を戸惑わせてばかりですが、茶道に向き合う週2時間は、日常のなかの非日常。
しゅんしゅんと煮え立つお釜のお湯に水をさし、その音が静まる”無”の時間、そこに、震えるような美を感じます。 
季節の花、着物、書……派生する和の文化への興味、とてもじゃないけど追いつかないですが、本業のワインもあるし、細く長く続けていきたいな。

お茶の先生は小学生の頃から茶道をならっている大ベテラン。でも私も、30年くらい続けたら、それなりに形になるかな。
そして将来、自分で茶懐石を振舞えるようになりたい。そしたら、小さな盃での日本酒ではなく、ワインを出したいな。

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