帯と着物の季節感

きもの

俳句に季語があるように、着物も季節によって着られる柄が決まっている。

季節を先取りするのが粋というから、旬を逃さぬよう、野に咲く植物にも目が向くようになる。  

一方日本人に親しみ深い桜などは通年でもOKだという。ある程度の決まりは頭に入れておきたいところだが、これが初心者にはけっこうヤヤコシイ。

5月のミューズサロン「香道の世界へのいざない」では、香道がテーマなので、クラシックな着物がきたくて、存在感のあるセミアンティークの着物を選んだ。

着物が決まれば帯も絞れる。合わせたい帯がすぐに思い浮かんだけど、 松竹に椿という冬向きの柄なので、悩んだ。

お茶会やオフィシャルな場でなければそんなに気にしなくてもいい、というラフな意見もあるものの、テーマもないのに季節を無視するのも癪だ。

では「香道」をテーマに選んだとしたらどうだろう。 梅は香りの良さから紀貫之をはじめ※和歌にもよく詠まれている。

※百人一首でもおなじみ「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香(か)ににほひける」が有名 「山田松香木店」「松栄堂」など松を冠する香木専門店もある。

なにより季節は5月。青々と竹が茂るいい季節。 

「野にある竹を合わせて松竹梅としました」 とすればいいのではないか……。 そんなことを考えつつ選んだ着物と帯がこちら。

こうして見ると着物選びが、四季に目を向けるいいきっかけになっている。

これが自分から「見て!こんな風にコーディネートしました!」と言わぬ程のさり気なさでできるようになったら、真の洒落者といえそうだ。

(このような記事を書いている時点で、私はまだまだほど遠いことは承知しています……)

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