おそるべしオーストラリアワイン、試飲会レポート

オーストラリアワインの試飲会で、オーストラリアワインの最新動向をリサーチしてきました。南半球に疎めのわたしにとっての収穫は3つ。  

9種類のシラーズ比較試飲による多様性確認:デニス・ギャスティンセミナーレポート(別記事)  
超有名産地のスタイル確認: Maragaret River, MacLaren Vale, Hunter Valleyなど 
それ以外の注目産地の発見: New England, Orange, Heathcote, Frankland Riverなど


試飲したなかで、気になったものをピックアップしてご紹介します。 

◆Hunter Valley(ハンター・ヴァレー)/New South Wales 

ハンター・ヴァレーセミヨンのトップワイナリーといえば、 1858年創業老舗の名門、Tyrrell’s Wines(ティレルズ ワインズ)。

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 VAT1 Hunter Semillon 2008
ハンターセミヨンの特徴は、早めの収穫によりアルコールが低く酸が高い独特なスタイル。
このワインも10.5%しかありません。 

ハンターセミヨンは熟成してこそ真価を発揮するワイン。
このVAT1は最低5年の瓶熟成ののちリリース。5年……白ワインでは異例の長さです。

ちなみに 同社のフラッグシップであるVATシリーズ、VATは発酵漕で、管理されている番号がそのまま商品名になっています。
今回試飲はありませんでしたが、ハンターセミヨンだけでなく、他にも以下のようなワインがあるようです。

VAT 6:ピノ・ノワール 
VAT7:シラーズ 
VAT8:ハンターシラーズカベルネ
VAT9:ハンターシラーズ
VAT14:カベルネ
VAT47:ハンターシャルドネ
VAT91:シャルドネ  

同じように樽の管理番号が商品名になっているペンフォールドのBINシリーズも印象的だったので、そちらは別記事にまとめます。

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◆MacLaren Vale(マクラーレン・ヴェイル)/South Australia

海からの涼風で気候が和らぎ、古木シラーやグルナッシュから複雑なワインが生まれる地域。  

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オクトジェネリアン=80年。 
枝をのばしたくましく生きてきた葡萄の古木。

◆Clare Valley(クレア・ヴァレー)/South Australia

海からの涼風、標高の高さ、昼夜の気温差が大きい、という3条件が揃った冷涼な土地から生み出される長熟のリースリングが有名ですが、シラーズやカベルネの赤もなかなか。

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Jim Balley The Lodge Hills Shiraz 2013
ちょっとミンティーな涼しめの味。

◆Margaret River(マーガレット・リヴァー)/Western Australia

「AUSのボルドー」とも称され、ボルドーに似た海洋性気候から、赤はカベルネ・メルローなどボルドーブレンド、白はソーヴィニヨン・セミヨンのブレンドとシャルドネが有名。    

ラベルにひかれて……20160908135336

爽やかな酸味が特徴的な、柑橘系すっきり辛口系、2000円以下のコスパワイン! 

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Vasse Felixのシャルドネ2種 

果実味の高さを酸味が支えており、バランスがよく比較的エレガントなスタイル。

Moss Woodはマーガレット・リヴァーで2番目に古い老舗ワイナリー。

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カベルネがプレミアムワインとして有名ですが(お値段も1万円越え)、
白のシャルドネは、白胡椒風味のスパイシー、高めの酸。リッチで骨格のひきしまったスタイル。


Leewin Estate(ルーウィン・エステート)   

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白は品種の特性をうまく表現した香りの高さとひきしまった酸味が、エレガントな印象。

ワインを「アート」と捉え、絵画のラベルが美しい「アートシリーズ」が有名なブティック・ワイナリー。
3年前に飲んだ2003年のシャルドネのあまりの美味しさに衝撃を受け、以後オーストラリアワインのイメージがガラリと変わりました。アートを絡めた企画などワインツーリズムにも力をいれているみたいで、ここはいってみたいワイナリーのひとつ。 

◆Great Southern の小地区、Frankland River

海風が谷に流れ込み気候は冷涼、エレガントなシラーとリースリングで成功。 

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Frankland Estate Shirazは、高めの酸とスパイス、シルキーなタンニンで、きれいなシラー。 こちらのRocky Gully Shirazはデニスさんのセミナー試飲アイテムでした。

◆Murray-Darling(マレー・ダーリング)南東部Swan Hill 

安価なブレンド用のぶどうが大量生産される内陸部の三大灌漑産地のひとつ(ほかはRiverland, Riverina)。

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このスパークリングのコスパもすばらしかったです。瓶内二次ではありませんが、日常ワインにうってつけ!

時間切れで試飲はできませんでしたが、ほかに気になったのはKing Valley(キング・ヴァレー)のイタリア系品種。ピエモンテの気候と似ているといわれ、冷涼産地としても注目されているエリア。  
そういえばデニス・ギャスティンさんのセミナーでも、デニスさんの注目している品種は、「ネッビオーロ、サンジョベーゼ、サペラヴィ(ジョージアの黒ぶどう品種)」と仰っていました。  

オーストラリアは大陸のなかにヨーロッパがすっぽり入るくらいの広い国。幅広い気候条件が産みだすワインの多様性を実感したグランドワインテイスティングでした。おそるべしオーストラリア。