猫の足あとの先に、「ドメーヌ・ミエ・イケノ」

『日経スタイル』の猫ワイン特集でもとりあげた、猫がトレードマークの日本ワイン、「ドメーヌ・ミエ・イケノ」のセミナーに参加してきました。

代表の池野美映さんがたまにイベント等で東京にいらしているのは知っていたのですが、フルラインナップをじっくり試飲する機会ははじめて。いい機会を頂きました。



(勝手にドレスコードは猫です)

「ドメーヌ・ミエ・イケノ」といえば、八ヶ岳の麓(標高750m、高い)にあるドメーヌ(=自社ぶどう100%でワインをつくるワイナリー)。「猫の足跡畑」と名付けられた3.6haのぶどう畑で、なんと粒単位でぶどうの収穫をしています。

生産本数は、年間7000本(2014、2015年)と少量生産ですが、いまの規模で手一杯ということで、ぶどう畑を拡張する予定はないようです。当然、発売開始後すぐに完売or独自の販売ルートに乗り、市場でも見かけることはめったにありませんが、2016年はぶどうの生育がよく過去最高の生産量ということなので、ちょっと期待。

セミナーでは栽培・醸造のお話もありつつ、私が一番興味をもったのは、池野美映さんご本人。
とっても努力家で有能でパワフルな池野さん。編集者をやめ単身渡仏、ワイン醸造士の資格取得後フランスのワイナリーで経験を積み帰国、2007年にぶどう畑をひとりで開墾するところからワイナリーをはじめるというバイタリティ!なによりご本人にお会いして驚くのは、まったく泥臭さがないこと。ぶどう畑での作業は、わたしも少しだけお手伝いさせて頂くこともありますが、正直体力もいるしハードなお仕事……ボランティアの方もいらっしゃるとはいえ、女性ひとりでドメーヌを運営するのは並大抵のことではないと思います。
池野さんのキャリアについてはこちらの記事が興味深いです。転職して憧れの編集者の仕事に就いたのに、辞めて渡仏した理由が、すごく共感できます。


「Domaine Mie Ikeno」と刺繍のはいった白シャツがお似合いの池野さん。「この作業が大変で……」など具体的な話をしてくれるのですが、さわやかにおっしゃるので大変そうに聞こえないのがすごい……。


今回試飲したのは、「月香シャルドネ 2015」「シャルドネ 2014」「ピノ・ノワール 2014」「メルロー 2014」の4種類。
ラベルには、トレードマークの猫、キャップシールの猫の足あともキュート。
また、ラベル上部の曲線は、八ヶ岳の稜線をかたどったもの。センス良し。

感動したのは、「月香シャルドネ」。飲んだ瞬間、ぶわっと鳥肌が立ちました。

気温の低い夜中に収穫する「ナイト・ハーヴェスト」のため、いきいきした酸が特徴。桃や洋梨にくわえ、枇杷などオレンジ系果実も。白ワインはすべて樽発酵・樽熟成のためオークの香りもしっかりありますが、それ以上に感じる、ぶどうのポテンシャルの高さ。そこしれぬエネルギーを持つ、神秘的なワインです。


「シャルドネ 2014」は、より南の果実のニュアンスがつよくなり、スパイシーなアロマも……「月香シャルドネ」よりも3日後に収穫したというだけで、醸造における違いはいっさいないとのこと。収穫時期だけでこれだけ違いが出ることに驚愕!



赤のピノ・ノワール、メルロー2014はまだ固い印象。

池野さんいわく、「ミエ・イケノのワインは時間がたつところころ香りが変わる、それを楽しんでほしい」とのこと。ワイン自体が猫のようで、象徴的です。
飲み頃は白で5〜7年、赤はそれ以上ということなので、時間をかけて見守りたいワイン。

ワインリゾートとして知られる「リゾナーレ八ヶ岳」と提携しているのでそちらでは在庫がある限り楽しめるそうですが、今回セミナーを主催してくださった「いまでや」さんは話題の「GINZA SIX」にもリカーショップを出店したので、時期によってはそちらでも手に入るかもしれません。



(「リゾナーレ八ヶ岳」内の八ヶ岳ワインハウス、2012年)