ワインのトレンドを追え!VINEXPO東京2016レポート

食・ワイン

先週二日間にわたり開催されたワインの国際見本市「ヴィネクスポ・東京」。

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私も二日連続で取材に行ってきました。

来場者数が前回開催(2014年度)の33%増だったそうで、 たしかに前回に比べるとセミナーがパワーアップ、ボルドーやイタリアの大きい試飲会の併催、600超の出展ブースなど、二日で回りきれないほどの内容の充実ぶりでした。

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(公式サイトの写真に映ってた……)

今回特に注目度が高かったのは、ニューヨーク、ギリシャ、モルドバといった日本ではまだあまり見かけない生産地のワイン。

初日は朝からギリシャの白ワインのマスタークラスへ出席し、白ぶどうの固有品種アシルティコのワインを15本ノック。5アイテム×3フライトと、1時間半ではかなりハードな試飲でした。高い酸とアルコール度数が共存する独特な味わい。講師のギリシャ初のマスター・オブ・ワイン、コンスタンティノス・ラザラキス氏(名前もすごい)が「香りが控えめで質感重視なところが和食にも合うと思う」という通り、確かに食事と合わせて楽しみたい品種。

続けてフランチャコルタのマスタークラスセミナー。

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「ベラヴィスタ」のオーナーヴィットリオ・モレッティ氏と仲よさそうに話しているのは、イタリアワインといえばこの方!ジャーナリストの宮嶋勲さん。(写真左)

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熱が入り身振り手振りも激しい!この方の通訳は面白くて大好き。何度も笑っちゃいました。

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しかも驚くべきことに、通訳の際に一切メモを取っていなかった。脳内変換恐るべし。

 

初出展のニューヨークワインブースも盛り上がっていました。

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きょとんとこちらを見ているのは、アメリカ最古(創業1839年)のワイナリー、バザーフッドのフィリップ・ダンスモア氏。

 

VINEXPO前日にはニューヨークワインを専門に輸入しているGOTOワインズ後藤さん主催でプロ向けセミナーも開催されました。


面白かったのは、フィンガー・レイクスHermann J. Wiemer Vineyardのカベルネフランの畑の方角違いの比較。

フィンガーレイクスは人の手の指の形のように大小11の湖からなるNY州最大の産地ですが、南北に走る湖に対して直角(西から東)に葡萄の苗を植えることで、湖から流れる大気を利用し空気循環をよくする試みがなされているそう。 
西ー東方向きだと南ー北方向より日照は弱くなるものの、その分収穫を2週間ほど遅らせゆっくり糖度が上がるとのこと。

セミナーでは従来の南ー北方向に植えたカベルネフランを試飲したところ、これが非常にエレガントでおいしい。6種類のなかでも一番感動したワインでした。

VINEXPOのブースでは西ー東方向の新しい試みのカベルネフランを試飲させてもらいましたが、こちらはワイナリーの方も「ちょっと熟し過ぎ」といっていた通り、私は南ー北のほうが涼しげな味で好み。畑を植える方向による味わいの違いが興味深い試飲でした。

 

ギリシャブースではズラリと並んだワインをひたすら試飲。 
クシノマヴロやアギオルギティコなど固有品種の赤に面白いものを発見。

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同じく今回初出展のモルドバワインブースからは8社が参加。


マティスの「ダンス」がラベルに描かれたワインなど、ラベルに惹かれたChateau Purcariの限定シリーズは残念ながら日本未輸入……ジョージア原産品種サペラヴィとモルドバ土着品種のブレンド「フリーダムブレンド」も美味しかった。 
ほかにもVinaria Vale、Chateau Vartelyなど、なんといったらいいのでしょう……素朴で素直に美味しいと思えるモルドバワインの魅力を発見できました。

あとはネタ集めに泡ものを集中的に見て、スパークリングに疲れたらルイ・ラトゥールで癒されて、〆のエスプレッソ。

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ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドーやガンベロロッソの試飲会は全然回る時間がなかったし、世界最優秀ソムリエのマスタークラスも出たかったな。 いずれにせよ充実したワインづくしの二日間になりました。

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