バンコクから車で2時間、タイのワイナリーツアーへ

ぶどうが育つ最適な緯度は一般的には南北30-50度とされていますが、そのゾーンから外れた土地でつくられる”新緯度帯ワイン”が注目されています。

このなかには、インド・タイなどもふくまれ、特にアジアのワインはエスニックに合うので私も時々飲んではいました。

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(訪問のちょうど1年前に、今回訪れたワイナリーのワインを飲んでてびっくり。すっかり我が家の定番となったシンガポールチキンライスと、シュナンブラン)

では実際どんなところで作られているんだろう、と確かめるべく、タイへ飛んできました。

向かったのは、カオヤイワイナリー。 
北緯14-18度、ばりばり”新緯度帯”に入ってます。

タイから車で約2時間。その一帯はタイのなかでも避暑地として観光化されており、ワイナリーに近づくにつれ、それまでの何も無い田舎道から一転、レストランや観光施設が増えてきました。

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訪れたのは10月上旬。雨季のタイはスコールが日に何度かあり、この日も2、3度スコールに見舞われました。気温も高く日射が強く、ときどき風は涼しいのですが、「こんな暑いところでいい葡萄が育つのか……」と思いながら、ワイナリーツアーへ。 
ツアーは日に5度も開催されており、畑・醸造所見学、テイスティングで所要約1時間。

このようなバスで園内をまわります。中国系の方多し。

いざ出発です。わくわく。

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800エーカーの畑には、テンプラニーリョ、シラー コロンバール、シュナンブラン等が植えられており、年15万本が生産されているそう。

ワイン用葡萄と食用ぶどうのほか、マリーゴールド、菊、オリーブ、パッションフルーツ、日本のメロンなど果物もたくさん栽培されています。

マリーゴールドの畑(左)。マリーゴールドといえば、タイでよく見かける花飾りによく使われるお花(右)。

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「マールー」という食用ぶどう。遠くで作業しているおばちゃん達のかさが、エスニック的で雰囲気あり。時期的にワイン用の畑はみせてもらえず……。
ワイン用の畑がおもしろいのは、収穫シーズンの1・2月で、この時期には、作業してる人でいっぱいだそう。収穫時期が1・2月というのには驚きです。

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基本は垣根栽培で、食用ぶどうでは棚栽培も。日焼け防止にプラスチックの屋根をかけるのは、日差しがつよい土地ならではの工夫。

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蓮の花……静かで、癒されます。

いまのワイナリーの責任者は、ヨーロッパやニュージーランドでワインの勉強をした方。

醸造には近代的な手法をとりいれ、ステンレス、大樽(イタリア製)、フレンチオークなどを使い分けて熟成させていきます。

テイスティングは3種類、スタンダードのPBシリーズの白(シュナンブラン)、ロゼ(シラー)、赤(シラー)を試飲。うーん、品質は悪くないのですが、なんとなく曇った印象。ほんとうの、姿をみせて!

もう少し試飲したかったので、ツアー終了後、レストラン内のスペースで、追加で試飲セットをオーダー。気になっていたプレミアムシリーズ「Pirom Superior」を試飲。

うーん、かなりいい感じとはいえ、なかなかのお値段。 だって、ワイナリーツアー代金より追加の試飲代(2種)のほうが高いの〜。

レストランからは畑ものぞめ、ゆるりとした時間が流れています。

観光地化されていて一般にも訪れやすいこと、なによりスコールのあとの、しっとりと湿度の高い空気、蓮の花、美しい緑……いかにもタイ!といった雰囲気でワインを楽しめるのは、ここでしか味わいない魅力!
ワイナリーツアーの説明は少々ものたりない(一般向けなのだから、当たり前)けど、プライベートならすごく楽しめるワイナリーでした。

今回は時間切れで回れなかったのですが、ここの近くにあるGranMonte(グランモンテ)ワイナリーのワインも品質が高く(味わい的には、こちらのほうが好き……)、今度はそちらも訪れてみたいな。

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(ラベルも可愛い色鮮やかなロゼ、GrandMonte 「Sakuna」)

このタイワイナリー旅行から帰国して数日後、プミポン国王が崩御されました。

タイは私にとっても大切な思い入れのある国。タイで海外デビューし、旅の楽しさを教えてもらい、骨折したり嫌なこともあったけど、笑顔の優しさに助けられた国。

街なかのいたるところに飾られたプミポン国王夫妻の写真、「タイって、国への愛がつよい国なんだ〜」と当たり前の風景と思っていたけれど、それは当たり前なんかじゃなく、国王陛下のお人柄だったんだ、とあらためてその偉大さを感じました。

タイ人の知人のfacebookのプロフィール画像は追悼の意を表し、黒一色の画面になったまま。タイの街も、いまは黒に包まれているのでしょう。

タイがはやく色を取り戻せる日を願い、心よりご冥福をお祈りいたします。


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*カオヤイワイナリーのHPも、いまはトップにプミポン国王の写真。

http://www.khaoyaiwinery.com/