真の美しさとは②「美人」と「美しいひと」

*「美人」と「美しいひと」

「『美人だね』と言いたい人と『美しいひとだね』と言いたい人は違うと思っています……」と路子先生。 おおっ、そこを聞きたいのです!絶世の美女に生まれなくても、リカバリーする方法を……!

「『美人』と人が口にするときは、当然ながら、外見を指していることが多く、若い頃は美人と言われても、ある一定の年齢を超えたら言われなくなったという人もいる。かたや、年齢を重ねるほどに美しくなっていく人がいる。そういう人はいったい何を持っているのでしょうか」  

まず、「”自分が幸せである状態が、何よりも大切”と知っている人は美しい」といいます。
えっ、それって自己愛の人じゃないの?と思う方もいるかもしれないけれど、 自分を愛して、自分が幸せでなければ、人を愛するということはできない。 きっぱりと断言されました。  

では、「幸せ」とは何でしょうか。問いは続きます。
もちろん人それぞれの考えがあると思います。  

路子先生が引用されたのは、サガンの言葉です。  

幸せとは自分のしていることを恥に思わない状態です
ーサガン

「幸せは形ではなく、あくまで心の状態。どんなものを持って、どんな人に囲まれて、どんな家に住んで、毎年何回海外旅行に行って……などのかたちではない。周りから「それだけのものを持っていて、恵まれてるよ」と言われても、どんなに社会的にはいい環境にいても、自分自身のやっていることに「恥」の感覚を持っているときは、決して幸せではない」といいます。  

では今自分のしていることが、自分の生き方に忠実じゃないかも、と思ったらどうするか。

「美しいひと」に共通するのは、「自分が幸せな状態」を獲得するために、行動に移すこと。

「幸せになりたぁーい」とただ椅子に座っているだけではなくて、幸せを掴み取りに自分の足で歩いていく。そういう人たちは、私が考える「美しい人たち」です、と。

思わず俯いてしまいました。「路子先生、私に向かって言ってる?」と思ったけれど、おそらく会場に、そう思った人は多いんじゃないだろうか、とも思います。  

もうひとつ路子先生が強調されたのは、「美意識」について。

「美意識を失わない人が、年齢を重ねても美しい人。
では美意識とはなんでしょうか……。」
さらに問いは続きます。

「これは『見つめる』ということに尽きると思います」。

自分自身を見つめることの大切さ。
外見でもいい。鏡の前に立って、自分を客観的に見てみる。姿勢はちゃんとしているか?

そして自分の内面を見つめ、心の状態を知ること。
どんなものを美しいと思っているのか。
どんなものを美しくないと思っているのか。
何に価値を置いているのか。
今、自分がやっていることはどういうことなのか。

それをいつもいつも自分に問いかけること。
このような精神活動(自己探求)を続けている人は、年齢を重ねるほどに美しい人となっていくのではないか……。


この話を聞いて、思ったこと。

ひとつめは、精神活動が自己否定にならないようにしなきゃ、ということ。
精神活動はしているつもり。でも見つめているようで、よく見つめてはいなかった。
自分を分析して、そして「こうありたい自分」との溝の深さに愕然として、ダメな部分ばかりが目についてきて、調子が悪くなって、そうすると頑張るエネルギーも出なくて、そこでストップしていたように思う。やがて時とともに忘れて、また何かをきっかけにハッとなる。その繰り返し。
物事や自分を見つめる、前向きな精神活動と、自己否定は当然ながらぜんぜん違う。

もうひとつは、そんな自分でも、「客観性」と「恥」の感覚をもつくらいの繊細さはあるな、ということ。
たとえば人と話をしているとき、後方1メートルくらいのところにいる自分が、守護天使のように見守っていて、「あ、いま微妙な雰囲気。なにかおもしろいこと言わなきゃ、キミ!」などと話しかけてくる(→たいていうまくできなくて落ち込む 苦笑)。はたまた誰かと会う約束をするとき、「私は、相手の時間を頂戴するに値する人間なのか」などと考えている。

それと「恥」の感覚。
「幸せとは自分のしていることを恥に思わない状態 」とサガンは言うけれど、どんなにみにくいことをしていても、それを恥に思わない厚顔だったら、ある意味幸せ……?でもそれって美しくないし、私はそこまではいってないと思う。恥の感覚はある。「恥」の感覚を無視して自分を騙していると、必ず調子が悪くなるし、  それは外見にだって現れる。

でも、「美しく年を重ねる」というのは考えれば考えるほど別の問いに繋がるテーマなので、 今はヒントだけもらって、あまり大げさに考えないようにしようと思う。
たとえばこの1週間、ちょっと習慣を変えただけで、肌も気分も調子がいい。そんな小さなところからはじめようと思う。

トークショーの会場には、「美しくありたい!」「美しくなりたい!」という共通の願いが「前のめりな空気感」となって漂っていて、最前列に座っていた私は、その熱を背中に受けてひりひりとした。

この日は路子先生の新刊「マドンナの言葉」の発売日。着物はマドンナブルーを意識して、帯には薔薇を。

◆路子先生が考える「美しいひと」の条件

・「自分が幸せである状態が何よりも大切」と知っていること。
・美意識を失わないこと。そのために物事や自分を見つめ、精神活動を続けること。