南米No.1レストラン「Central」での衝撃体験

食・ワイン

Astrid & Gaston」と並んで楽しみにしていたのが、南米トップに君臨する「Central」。

気合いをいれてふたりともお洒落(といっても、彼は襟付きシャツに長ズボン、わたしはきれいめワンピースレベル)していったのに、他のお客さんの服装があまりにカジュアルで、がくっ。たとえばTシャツに半ズボンにバックパックを担いだ(!)中国人……いくら世界のトップレストランが観光地化しているとはいえ、これではあまりに店が気の毒である。

おかげで我々は上客だと思われたのか、キッチンが見渡せるベスト・ポジションに案内されたので、まぁいっか。

サービスの人は、はじめから英語で話しかけてくる。

「La Mar」や「Astrid & Gaston」では、こちらが”English please!”と言わないとスペイン語で話してきたので(あからさまなアジア人なんだから、わかるでしょー!)、「Central」は世界からの客に対する教育がいきとどいている印象をうけた。  内装・雰囲気といい、洗練され高級感があり、「南米トップのガストロノミー」という期待を裏切らない。

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メニューをみてまず驚いたのは、各メニュー名の横に海抜高度が書かれており、素材の生まれ育った土地を想像しながら楽しめるようになっていること。これは、おもしろい発想!

さらに驚いたのは、ワインメニューである。料理に合わせるワインのデギュスタシオンメニューにも、ワイン名の他に緯度経度・海抜高度、土壌と気候までもが記されていて、それらが俯瞰的に配置されている。

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日本でも涼しい味のワインを「冷涼ワイン」といったり、気候等でワインのタイプを分類することはあれど、それをレストランメニューに反映させ、ペアリングに活かそうとしているお店はまだ数少ないんじゃないだろうか……。

さすが南米トップ、最先端のガストロノミーだぁと感心し、ますます期待が高まる。

とはいえ、料理のメニューはなんと17皿!それに全て別のワインを合わせるわけではなく、料理2〜3皿にワインひとつで通したりもするので、せっかくいろいろな情報があっても、綺麗に紐付けはできない。こちらも意図がわからないから、そこは例えば「ほらっ!!標高が高いところの料理には標高の高いワインがあうでしょっ!!」くらいのナビゲートがあったほうが、まだわかりやすい……なんて生意気にも思ったりした。

 

料理はすばらしかった。  途中までは、「これはとんでもないことが起きている(神がかっている……)!」とふたりでしきりに顔を見合わせていた。

全く馴染みのない素材が多用されているから、メニューをみてもわからないのはもちろん、運ばれてきたお皿をみても、味の想像がつかない。
なんてったって、ポテトだけで2000種以上もある農業大国ペルーなんだもん。

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(とうもろこしだって、すごい種類。プーノに向かう途中の博物館にて)

 

ぱくり。ひとたび口に入れると、「何じゃこりゃ?経験ないぞ」と五感と頭をフル稼働させるので忙しい。序盤はふたりともほぼ無言でひたすら食べた。

中盤以降、ようやく冷静になってきた。味わいだけにフォーカスすると、「すごく美味しい〜!感動!」というものばかりじゃないことに気づく(笑)
未知との遭遇というワクワク感は半端ないのだけど、後半はそもそもお腹がいっぱいになってきて、ワクワク感にも疲れてきた。

「ベーシックに、美味しいって、いいよね……」ぽつり。

(ほんの一部。 ※左下の写真は虫ではありません。どきっとした?)

 

デセールの頃には、お腹、満腹寺++。
17皿は、とくに女性には量がおおすぎる(大食の私ですら、そう思う)。最後は苦行僧のようだった。

ワインのセレクトは北/南半球バランス良く9種類(うちペルーワインは2種類)と、ペルーならではのキヌアビール!

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強烈だったのは、葡萄果汁とピスコをブレンドしたという甘口ペルーワイン!
これは、壷(アンフォラ)で寝かせたような、独特のニュアンス。マニキュアのような香りがあり、かなりクセがあった。うーん、ペルーワイン、まだつかめないぞ。

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チリのロゼをシラーグラスで供したり、モスカートを大きいシャルドネグラスで出したり、グラスのセレクトがおもしろい。
料理とのマリアージュは無難なものもあったけど、メニュー構成の斬新さと、ペルーでしか飲めないワインやビールもあって、とても楽しめた。

最後におあいできたシェフ(ヴィルジリオさん)も線の細い知的そうなイケメンで優しくて、きゅん。

未知のペルー料理・ワインメニューの斬新さ、その量の多さ……いろんな意味で驚きに溢れたお店だった。

そして間違いなく地球の裏側までいく価値のあるレストラン、二人でこれたことに感謝です。

 

(2016年3月訪問)

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