日本のピノ・ノワール特集

食・ワイン

日本のピノ・ノワールについて『日経スタイル』で特集しました。
ちょうど記事の直しと奮闘していたのが誕生日で……お祝いがてらセラーに眠っていたドメーヌタカヒコのナナツモリ ピノ・ノワールを開けました。2012は1stビンテージ。少し酸を強く感じたものの、日本食との相性はいうまでもなく、お寿司ともすんなり寄り添ってくれました。

こちらは2018年2月に開催された「第2回日本ワインピノ・ノワールサミット」をもとに書いた記事です。
日本ワインに高貴な風 北で花開くピノ・ノワール


(右:カーブドッチの掛川さんと)

今回は構成をシンプルにするため記事には盛り込まなかったのですが、
第一部のパネルディスカッションではニュージーランドでピノ・ノワールを造っているコヤマワインズの小山竜宇さんやラックコーポレーションの取締役の矢野映さんも登壇し、「世界から見た日本のピノ・ノワール」について議論が交わされました。


第二部の試飲では日本のピノのほか、小山さんのワインを。砂利質土壌の「ピアソンズ・テラス・ヴィンヤード」と石灰岩粘土質土壌の「ウィリアムス・ヴィンヤード」を飲み比べ。
淡い色合いで、華やかで軽やかな前者、グッと濃くなりどっしりとした黒系果実と深みを感じられる後者……比較が面白い試飲でした。とてもおいしかったのですが、あまりゆっくり試飲できなかったので、また別の機会にあらためて。

以下、記事には盛り込めなかったお話の一部を。本文の続きのような感じですので、記事と合わせてご覧いただけると嬉しいです。

 

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●世界から見た日本のピノ・ノワール
 それでは、海外の造り手から見て、日本のピノ・ノワールはどう映るのだろうか。
「外から見ていると、日本の造り手は足並みがバラバラだという印象を受ける」と指摘するのは、ニュージーランドでピノ・ノワールを造る小山さんだ。ニュージーランドのピノ・ノワールも歴史からすれば日本と大差なく、1990年代終わりに知名度が急激に上がったという、いわば「ニューワールド」だ。 
 だが、輸出大国のニュージーランドでは世界の市場を意識した。比較されるのは、ブルゴーニュのピノ・ノワールだ。「同じ価格ならば、スタイルは違っても質では負けないものを」とマーケティングを行った結果、今では新世界のピノ・ノワールの銘醸地として高い評価を確立した。実際ニュージーランドでは、造り手同士で集まり、テイスティングや意見交換をする機会も多いという。少し専門的な話になるが、病害に弱いピノ・ノワールでは、クローンの選択も重要になる。クローンが違えば、収穫時期が2週間も変わるほど、クローンの違いというのはワインの味わいに大きな影響を与える。その土地にあったクローンが何か、一人で試すのは難しい。そういった点でも、情報共有が重要になる。
 栽培面での課題もある。「日本の畑はウィルス(病気)にやられている畑があまりにも多い」と小山さん。ワイナリーが個別に対処できないことも多く、行政や研究機関、教育機関も含めた体制づくりが整えば日本のワインもドラマティックも変わるのでは 、とコメントした。

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