『日本ワイン紀行』Vol.16が発刊。私はカンティーナ・リエゾー、塩山洋酒、木谷ワインの3ワイナリー(18p分)を担当させて頂いております。
特に奈良初のワイナリーである木谷ワインは、今年6月に醸造所が完成したばかり。このタイミングで詳細な記事をリリースできたことは光栄でした。
今回から岩井麻里子さんがライターデビュー。
いちおう先輩として取材に一部同行したのですが、独特の感性を持ち、キラキラした目で真っ直ぐに質問を投げかける彼女のファンになってしまいました。
先輩風もちょっと吹かせました(笑)
とはいっても、なんと彼女はMW研修生。
もう一人のライター小原陽子さんもMWの試験結果待ち。
ライター3人のうち最低レベル(私)がWSET Diplomaって…なかなかですよね。おそるべし『日本ワイン紀行』。
(もちろん大事なのは資格だけじゃないですが)
製作チームを除くと最初の読者である造り手さん本人からも、嬉しい感想を頂けました。
大変すばらしい文章で感激いたしました。 これまでいろいろな取材を受けてまいりましたが、 ここまでこちらの意を汲んでいただいている文章を見たのは初めてです。 あまりに感動したので直接メールをしてしまいました。
先日の記事の草稿拝見致しました。 丁寧な表現で僕の想いを見事に表してくださっており、感動してご連絡しました! ありがとうございます!!!
嬉しかったのは、私が記事を書くうえで大切にしていることを、評価してくださったから。それは、ライターがストーリーを事前に作りすぎずに、編集しすぎずに、取材相手の思いを汲んでわかりやすく伝えること。
前から心がけていたことではありますが、実は強く意識するようになったのは、
昨年10Rワイナリーのブルース・ガットラヴさんの取材後から。
雑談のなかで、『日本ワイン紀行』の内容を誉めて頂いたあと、「たいてい、ライターの方でストーリーが出来上がっていて、こちらが何を言ってもあまり聞いていない」と残念そうに仰っていたんですよね。その言葉が喉に刺さった小骨のようにずっと引っ掛かっていました。
もちろん取材準備としては、大体どんな記事になりそう(したい)かはイメージして質問も考えますが、それにこだわり過ぎると、ブルースさんのいう通り、ライター(もしくは媒体)が書きたい記事に寄りすぎてしまう気がします。想定外の面白いストーリーをの芽を摘み取ってしまうと思います。
でも、聞いたことをそのまま伝えるのでは能がない。
このあたりにライターの存在意義があると思っています。
録音メモを起こした膨大な記録から、何を取捨選択するか。同じ取材現場にいても、ライターによって、切り取り方が違ってくる。そこに個性が出てくる。
そもそもワインライターって必要なのでしょうか?
最近、Jamie Goodeがそんなテーマの記事を書いていて、ドキッとしました。
Does anyone still need wine writers?
MW試験で出された問題みたいですね。
みなさんはどう思いますか?
SNSやネットが発達した今では、生産者さんが自らの言葉で発信することも可能な時代です。実際、木谷さんなどは、SNSやnoteで積極的に発信なさっています。
誰もが発信できて、いくらでも無料で情報が手に入る世の中で、有料で記事を出す意味とは?
それには当たり前のことですが、ググっても出てこない情報が得られる、お金を払ってでも読む価値がある記事を書くしかないと思っています。
『日本ワイン紀行』は1ワイナリーあたり6000字(6p)と専門的な内容にフォーカスしており、他にない情報が得られる媒体です。広告がないので、よいしょ記事も一切ありません(笑)
気になった方は、ぜひお読み頂けると嬉しいです。
baseで購入できます。
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