居間で氷点下気分『エベレスト』

まだ見てないかた、ネタバレ注意です。

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先日DVDで「エベレスト」を鑑賞。劇場では3D版が公開されたらしいけど、3Dでみていたら、あまりの恐怖に「うわあああ!」と劇場で叫び声をあげていたと思う。それぐらいの臨場感。山、こわい……。

ストーリーとしては、登山ガイド会社のロブ率いる遠征隊がエベレストに挑戦するものの、吹雪で散々な目に遭うという、実話に基づくサバイバルドラマ。
前半で何人かはさっくり登頂してしまったので、「ついにエベレスト制覇!やったあ!」っていうお話かと思ったら(前情報なしで見た)、人生そう甘くない。後半ばらばら人が死んでいくので、想定済みとはいえ急展開にアワアワ。 

映画とはいえ実話に基づく本作で、こうも人の死がいとも簡単に訪れるのを見ると、なんとも複雑な気分にさせられた。

「人は死んだらどうなるのか」きっと誰しも一度は考える命題。
私は、小さい頃から死(消えてなくなること)についてぼんやり考えてて、中学生のときは古本屋さんでたまたま手に取った『完全自殺マニュアル』を見て、「もし仮に万が一自殺しないといけない状況になったとしたら、どの死に方が一番マシかなぁ」なんて空想しているような子どもだった。(ちなみにこの本、ミリオンセラーになったんですね)
苦しかったり痛いのは嫌だけど、基本的に死=生きる苦しみからの解放って思っていた。
ああ、でも今は大切な人ができたから、はじめて「死にたくない」って猛烈に思う。

今回の映画のお話では、エベレスト挑戦は2回目のダグって人が、登頂寸前で時間切れになっちゃう。
ロブ(ガイド)は「もうタイムアップだ。残念だけど、降りないと」というんだけど、ダグは必死で「お願いだ、行かせてくれ。もう次はないんだ」と頼むのね。
ロブは、天気も危ないし本当は早く降りたいんだけど、ダグの熱意に負けてやむなく許可し、一緒に登頂につきあうことに。その結果、チーム全員を巻き込む悲劇につながるのです……。

見終わった後、「気持はわかるけど、ダグが早く降りてれば……」と二人でしょぼんとしたものの、もしかしたら登頂直後に達成感に包まれて眠るように消えていったダグ本人は、それはそれで幸せだったのかも。

あとは、驚いたのは、エベレストが超渋滞してるところ! 

「6万5千ドル(当時のレートで約700万)もかけて行くなんて信じられないな」とダーリンは言ってたけど、私もベースキャンプくらいまでならいってみたいかも。

なぜ、あなたはエベレストに登りたかったのか?」という記者の質問に
Because it is there(山がそこにあるから登るんだ)と応えたジョージ・マロリーではないけど、心が震えるような冒険したいという気持は分かる。
映画の中でも、なぜ山に登るのかっていう議論になって、誰かが「山に登るとふだん自分の周りにたれ込めている黒雲がぱーっとクリアに晴れるんだ(意訳)」みたいなことを言っていた人もいた。
山に登る人、どうして山に登るんですか?

映像として怖かったのは、登頂したひとり(テキサス男)が氷のせいで凍傷になりかけて、鼻先と指先が真っ黒になっちゃうシーン。
ラストのエンドロールには本人の実物写真が流れたんだけど、可哀想だった……。昔の彫刻も鼻先が欠けてたりするけど、やっぱり先端ってもろいんだね。と変なところで納得。 
ダーリンに、「鼻がとれちゃったら、鼻で息できなくなるのかな?」ってきいたら、
「穴が空いてるから、息できるよ!おっかでしょ(おかしいでしょ)!」ってツッコまれてしまった。そうなの?調べたけどヒットせず……。

「エベレスト」。エベレストに行かずにブルッとしたい人にはお勧めです。
そして登頂メンバに日本人女性(難波 康子さん)が出てくるので、ほっこり誇らしい気持になるよ。

ありがとう、ありがとう」(見た人にだけわかるネタ……)。

▼エベレスト
エベレスト (字幕版)

エベレストつながりで久々に読んだ沢木耕太郎の「凍」も、震えた。
▼「凍」