記事もブログも、(世間に向かって)一方的に投げつけるようなもので、反応がくることはめったにない。
誰が読んでくれているのか、面白かったかどうかもわからない(まあ「つまらない」と言われても困るけれど)。
そんなことを思っていたある日、見慣れないアドレスからメールが届いた。
開封すると、ブログの「問い合わせ欄」からメールをくれたようで、そこには、私に興味を持ってくれたという温かいメッセージが記されていた。
どうやら「日経スタイル」の記事を読んでブログに飛んでくれたみたい。
いそいそと返事を送り、仕事がらみの相談もあるということで、実際に打ち合わせをすることになった。相手が女性で、しかもきちんとした身元のひとだから、ということはもちろんだが、こんなスピーディーな逢瀬につながることは滅多にない。
お会いしてみると、私とまさに同い年くらいの、女性。ワインから繋がるの方は年上の方が圧倒的に多いので、同年代の女性というだけで、親近感をいだいてしまう。
彼女がお土産に持ってきてくれた、コンチャ・イ・トロ社の「カッシェロ・デル・ディアブロ」。「悪魔の蔵」伝説で有名なチリワイン。
電車でも大々的な広告を見かけた矢先のことで、ちょうど気になっていたので嬉しい。さっそくテイスティングの勉強に使わせてもらったあと、ゆっくり楽しんだ。
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要するに何がいいたかったというと、反応があると、もうそれだけで嬉しいということだ。
いつも、「私でないとできないこと」を求めるあまり何もできなくなって、
ついには隠遁したくなる気持ちと葛藤しながら活動しているわけだけれど、
この日は、そんな大げさなことでなくても、
ただ単純に自分の記事によって、誰かに行動をおこしてくれたことが嬉しくて、
ほそぼそとでもいいから、書き続けよう、と思うのだった。
そんな日のお着物。(テーマは春。)
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