今日はこれを飲もう、とワインセラーから取り出したのは、知人から頂いた珍しい白ワイン。
あらためて産地をよく見てみると、「Macedonia」と書いてある。
マセドニア……じゃない、マケドニア。そもそもマケドニアって、どこ。
旧ユーゴスラビアの国だったっけ、くらいの朧げなイメージをもちつつ、
Google Mapを起動してみる。
びゅーん、と日本から離れ、西へ随分飛んだ。
ギリシャの北のほう、東は薔薇とヨーグルトの国ブルガリアに面している。
マケドニアの北にはセルビア。
うん、確かに旧ユーゴスラビアということは、確認できた。
さて、マケドニアのワインは人生初である。
当然ながら、どんな味わいか想像できない。いったい何を合わせよう。
そもそもマケドニア料理って、どんなだろう。
ここでもGoogle先生の力を借りる。
なるほど、隣国ギリシャやトルコ料理の影響を、かなりうけているらしい。
それならばと、一品は、白ワインに合いそうなトルコ料理を作ることに。
(今度はクックパッドを起動し、よさげなメニューを検索)
茄子を黒こげになるまでグリルで焼き、熱々の皮をむいてピューレ状にする。
そこにたっぷりのヨーグルト、レモン汁、おろしにんにく少々を投入し、塩で味を整える。
これが土台になる。
その上にのせるのは、挽肉と玉葱を炒め、トマトピューレ、クミン、ナツメグなどスパイスで味付けしたもの。仕上げにパセリをはらりと添える。
うん、なかなか雰囲気がでてきたぞ。
このあたりで、18時近く。
そろそろいいだろう、とワインを開ける(いちおう、自分のなかでの夜の解禁時刻は18時)。
マケドニア王朝のイメージで、グラスは持ち手に装飾のあるバカラを選んだ。
まずは試飲してみると、思いのほかアロマティック。ミュスカ(マスカット)やアルゼンチンの代表品種、トロンテスを彷彿とさせる。
「テムヤニカ」という(聞き慣れない)土着品種のマスカット100%らしい。
素直に、おいしい。すいすいイケる。
14.1%という度数の高さを感じさせない、軽やかさである。
ワインを飲んだ上で、もう一品……なににしよう。妄想。
アロマティックな香り、といえばアルザス!
思いついたのはフランス、アルザス・ロレーヌ地方の名物キッシュ。
ちょうど卵も牛乳もバターも小麦粉もある。
キッシュ・ド・ロレーヌというと、ベーコンやチーズを具材にいれたものが基本だが、
ワインの香りの良さに、もう少し寄り添わせたい。
落ち着いたのは、季節のかぼちゃを入れたキッシュ。
具材は、甘みを出すようにじっくり炒めた玉葱とかぼちゃ。
オーブンに入れる前に、とろけるミックスチーズをたっぷりのせる。
カロリー的に危険な料理ではあるが、珍しいマケドニアワインに合わせるためなら、今日はやむを得ない。
焼き上がりを待つ間、するするワインを飲んでしまい、だいぶ残りが減ってしまった。
いけないいけない、慌ててセーブ。
♪たらら〜ららら〜(焼き上がりを告げる音楽)
熱々のキッシュを切り分け、ふーふー冷ましながら口に放り込む。
すぐに、冷えた白ワインを流し込む。
かぼちゃの甘味とワインの華やかな香りがマッチして、なかなかの相性のよさである。
が如何せんキッシュがアツすぎて猫舌の私には耐えられないので、冷ましている間にもう一品。
香り華やか系ワインとエスニックとの相性は、いい。
このミュスカも、エスニックに合いそうな気がする。
すりおろした蓮根に卵黄と小麦粉を混ぜ、ボール状丸めてココナッツオイルで揚げてみた。
このココナッツオイルがポイント。サラダ油よりヘルシーなうえ、ココナッツの香りで一気にエスニック度がアップする。
この一品とワイン、案の定、いい感じ。
意外と使いやすいぞ、マケドニアミュスカ!
ただし、またもやアツくて食べられない……と熱が落ち着いてきたキッシュに逆戻り。
こうしてあれこれ試している間に、さくっと一本あいてしまったのだった。
◆本日のワイン
Chateau Kamnik TEMJANIKA 2013
シャトー カムニック テムヤニカ 2013
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