大人の色遊び

きもの

何色が好き、と聞かれると昔から透明か白か青と答えていた。おそらく名字からの連想だろう、子供って単純だから。
そしたらほんとうに涼やかな色が好きになって、姓が変わってからはテーマカラーみたいになってしまった青。

この着物は「青藍色」にひかれてリサイクルショップで購入した。「青藍色」に老松なんて、ちょっと渋すぎだよねぇ……と思いつつ。

むこうのご両親との会食場所が「礼華 青鸞居」というのでセイラン違いで迷わずこの着物にした。帯は鳥つながりで鳳凰の柄。
誰にも打ち明けないひっそりとした色とことば遊び。


どうせならとことん遊ぼう、とオーダーしたのは空飛ぶ「むささび」。 
新潟「カーブドッチワイナリー」のワイン。


こういう馬鹿げた遊びが好きでよくやるのだが、そんなとき思い出すのは三島由紀夫の『女神』。

美に執着する異様な父親と、それにより美しくなければ価値がないと卑屈になってしまった母親、美しく成長し新たに父の生きがいになった娘。
着ている服に合わせてオーダーするカクテルをも決めるように教育された娘が、実際そのとおりに注文するシーンが印象的だった。
飲み物さえも、美を引き立たせる小道具にしてしまうのか……と。


首のつまったセーターではそもそも論外ですけどね!

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