着物のお手入れ②自分でできることを増やす

きもの

とくべつなお着物のお手入れや難しいしみ抜きはプロに任せるとして、ふだん着物のちょっとした汚れだったら自分でなんとかできないだろうか。着物をよく着る人なら、思うはず。

確かにベンジンでのお手入れなどは、たくさん紹介されていますが、よくわからないまま手を出すと……

オーノー!輪じみになったりします(涙)
→即クリーニングに出しました。。。

自分でできる範囲のお手入れを学びたい!と参加したのが月島にあるきもの工房扇屋さんの着物しみ抜き講座。

全4講座、朝の9時半〜夕方までの1日講習です。
長丁場ですが、非常にためになりましたのでオススメします。

まず1・2講座目ではシミの応急処置・ふだんのお手入れについてのレクチャー。

・出先でお着物を汚してしまった、どうしよう!
・梅雨の時期。じめじめ季節でもカビが生えないようにするためには?
・防虫剤の使い方、本当に合ってる?
・アイロンの正しい当て方は?

などなど、着物を着ていたらぜったいに直面するであろうお手入れのことをみっちり教えていただきました。質問にも気軽に答えて下さるので、蓄積されたもやもやが一気に解消しました。

そして先生によるしみ抜き作業のデモンストレーション。しみ抜き講座を始めて18年以上になる扇屋さん。そのたびにデモに使われるというおばあちゃん着物に、醤油、プリン、抹茶、野菜ジュースが今回もシミを作っていきます。。(ちゃんと染み抜きされるので大丈夫です!)

シミとなる物質が油性か水性かによっても処置は違ってくること、生地を痛めてしまう絶対にしてはいけないことetc……目から鱗がポロポロ。大切なお着物を守るために、絶対に知ってたほうがいいことは確実にあります。ゆで卵は生卵に戻らないように、やってしまってからじゃ遅いのです。

午後の3・4講座目ではいよいよ自分が持参した着物のお手入れ。衿周り、袖周りの汚れ落しの実践です。襟周りとかって、ファンデーションなどがつきやすくて意外と汚れるんですよね……。

(これは袖周りの作業)

お手入れに必要なグッズ(ベンジンやブラシなど)を持ち帰れるので、学んだことをおうちで実践することができます。

先週は袖にうっすらと謎の薄シミのある色無地をお手入れ。なんのシミかはわからなかったのですが、ベンジンでほとんどわからないくらいになりました!色無地にベンジンとか、けっこう勇気がいる作業ですが……、輪じみにならないコツを教えていただいたので思い切って作業ができました(むしろ思い切ることがポイント)。

(before→after)

扇屋さんの回し者でもなんでもないのですが、この講座を受けたことが着物ライフにものすごく役立ってます。

たとえば旅先で着物を汚してしまったとき。
3月にマカオに行ったときに、お気に入りの正絹の着物を持って行ったのです。

(これまでは、海外に行くときは洗える着物が多かったのですが、さいきんは大胆になって、着たい着物を持って行っていた)

Morpheus(モーフィアス)にある素敵なレストランで食事して、カジノ内のトイレで現地のオバチャマたちに 「漂亮、漂亮(かわいーー)!」と褒められすっかりいい気分になっていたのですが、問題はその後。折しも月のものがきてしまって、大切なお着物を汚してしまったのです。。。

ショックを受けながらも扇屋さんでレクチャーしてもらったことを思い出し、ホテルの部屋で応急処置。 翌日が帰国日で、夕方には家に帰れたので、その足で近くの行きつけのクリーニング屋さんへ直行。 部分的な染み抜きをお願いしました。

でも、「ほとんどわからないくらいに落ちてますね!」とクリーニング屋さん。見た目にもわからないくらいに薄くなっていたのは、とっさの応急処置が正しかったからに違いありません。

というわけで、扇屋さんの着物しみ抜き講座、激しくおすすめします。

→しみ抜きの基本教室(応急処置)

*次回は2019年6月15日開催のよう。年に数回の開催なので、都合の合う方はぜひ。

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