「アジアのベストレストラン50」授賞式のため、先月末はマカオ(と弾丸で香港)へ。
マカオははじめてでしたが、振り切れた派手さがすがすがしさすら感じさせてくれる場所。
- カジノホテルでカジノ未遂「ザ・ベネチアン」
- モダンインド料理とネオン「Golden Peacock」
- 観覧車も噴水も、夢の国「ウィンパレス」
- 厨房から世界へ飛び出す料理人@50 Best Talks
- 弾丸香港
- 再訪必須の「JADE DRAGON」
今回は旅先での衣装、着物について。海外で着物を着るのも台湾、スペイン、上海、ミャンマー、オーストラリアに続き6度目。ですが今回は何を着ようか、ものすごく悩みました。なにせ世界のVIPが集まるパーティーがありますからね。パンピー(一般ピープル)でも恥をかかない服装をしたいところです(キリッ)。
海外で着物を着るときまず調べるのは、天気予報。日本とは季節感が異なるので、日本の真冬に浴衣を引っ張りだすなんてことも。調べると3月のマカオは春にあたり、平均気温は23度とやや高め。雨は降ったり降らなかったりとのこと。
個人的に「袷か単衣(6/9月に着る裏地のない着物)の目安=22度」とぼんやりのイメージがあり、ならば単衣にした方がいいのかとも思いつつ……単衣の着物って、あまりたくさん持っていないので、選択肢が限られてしまいます。結局、「室内では冷房がガンガン効いている」という情報を信じて、袷の着物メインでいくことに。
■今回持参した着物グッズ(3泊4日のマカオ旅、3月末)
・長襦袢(夏用)+替え衿1
・着物3枚(袷2、単衣1)
・帯4本(袋帯1、名古屋2、半幅1)
・草履2足(普段用・おしゃれ用)
それに小物(帯揚げ・帯締め、足袋など)やバッグなど持っていくと、3泊4日でも1週間でも変わらない荷物感(行きの荷物の重量は17kg)。
ちなみに洋服は往復の飛行機用のボロ(→初日に食べたカレーで汚れるという罠)と念のためのワンピースのみ。
少しでも暑さ軽減のため中は夏用の襦袢で、衿と小物は袷の季節感。昼と夜でTPOに合わせて衣装を変えましたが、帯を変えて着回せば4日間困ることはありませんでした。
食の学会(50 Best Talks)や市内観光のときは単衣の大島に半幅帯でカジュアル+普段用の草履。太陽が高い間は、外では単衣の着物でも暑いくらい。夕方になるとぐっと涼しくなります。
(もともと大島は雨に強く旅向きの着物といわれますが、この着物は防水加工されているのでさらに安心)
「着物一枚に帯三本」という言葉もあるように、帯や小物を変えれば印象は変わります。
気合いを入れるときは、おしゃれ着用の着物と草履。
ホテル間はタクシー移動(マカオはタクシーが安い)なので、室内で食事するだけなら、正絹の袷の着物でも問題なしでした。
青いセミアンティークの菊柄の着物はマカオの豪華なしつらえのレストランによく映えました。
授賞式の夜は、日の丸カラーを意識して赤、白、金。菊の地模様が入った深紅の小紋に西陣織の九寸名古屋帯(金銀糸入り)、シャンパンゴールドの帯揚げと冠組の帯締め。
緑のビーズのバッグが、マカオの国旗カラーともリンクしてにっこり。ただカクテルパーティー、アフターパーティーは会場がプールサイドだったため、毛穴から汗が噴出……。ただでさえどっしりしている縮緬の着物だったので笑顔では隠しきれない地獄の暑さでした。
こちらも別の帯と合わせて(帯は単衣の大島に合わせたのと同じもの)。
(マカオで着物を着る人が少ないのか、今まで着物で海外に行った中でも特にジロジロと見られた気がします)
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ここからは個人的な反省点。
まず、授賞式での帯。後ろ・横から見たときのシルエットが波打って残念な感じに。お気に入りでよく締めている帯なので、少しくたりとなってしまっていました(クリーニングに出せば、シャキッとするのかな)。
今回は袋帯にしようか迷って、コーディネート(日の丸カラー)を重視したのと着物が小紋だったので名古屋帯(といってもフォーマル度高めのもの)にしたのですが、チーム日本の着物の女性陣はみなさん袋帯でした。やっぱり二重太鼓はビシィっとしてかっこいいですね。海外では着物の格をとやかくいわれることはなくても(浴衣でも、「OH! KIMONO〜!」と喜ばれるくらいなので)、やっぱりこのあたり、頭を悩ませてしまいます。
私は美容衿(独立した衿)を愛用しているのですが、こちらも反省点が。
少し昔のどっしりと重い着物だったせいか、美容衿が浮いてきて、斜め横からみるとフィットしていない……。これはかっこ悪い……! 抜け感は出しつつきっちりと体に添わせるよう、こまめにお化粧室などでチェックするべし、と反省。
かといってぴっちり襟元を詰めすぎても野暮ったいのですよね。襟元についてはこちらも→
■上品な色気は美しい襟元から(着物家の伊藤仁美先生のワンポイント着付けレッスンを受講したときの記事です)。
ちなみに美容衿って、こちら。
どれだけ使っている方がいるのかはわかりませんが、私はお茶の先生に教えてもらって以来、装道の「美容ランジェリー」とセットで愛用しています。
いずれにせよ今回感じたのは、着物って、国際的なハレの場でも堂々としていられる魔法のアイテムだということ。きちんと着物を着ているだけで、どこへ出ても恥ずかしくありません。あらためて日本の文化を誇りに思ったマカオ旅でした。
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