ホームパーティーと青春

食・ワイン

アラサーに突入した20代後半からめっきり機会が増えたホームパーティー。
お店で皆でわいわい集うのも楽しいけれど、夜遅くまで外で飲むと、確実に翌日が響くようになってくるお年頃なのです。 

その点ホムパだと、自分たちのペースで好きなようにやれるのが嬉しい。各自ご自慢のワインを持ち寄って家でワイン会をすることも多いのですが、これは私のような飲んべえにとっては、お店で飲むより安く、かつ色んな種類を楽しめる絶好のチャンス!ワイン好きの強者共が寄り集まれば、1人1本がデフォルトで、場合によってはそれ以上の空きボトルがずらりと並ぶことも。

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さて、ホームパーティーをやる場合、会の趣旨によってスタイルもさまざま。
私の今までの経験上だと、だいたい以下の3つのパターン。 

①ホストが全て用意する、完全招待型
②ゲストが飲み物やデザートを持ち寄る一部分担型
③各自食べ物飲み物一品持ちよりの完全分担型

例えば親戚を招いたり、お世話になっている方をおもてなししたいときは①の完全招待型にしちゃいます。知人間なら「材料費割り勘にしよー!」と会費を取る場合もあるかもしれませんが、個人的にはお金は請求しにくいかな。「手ぶらで来てね」とは言っても、大体手みやげを持って来てくれるわけだし。
そして段取り良く準備するには、事前の綿密な計画が必要。手際の悪い私などは、準備にバタバタして1人でテンパります。親しい友人なら、ちょっと早めに来てもらって準備を一緒に手伝ってもらうことも。
 
友人と気軽に集まる場合は、だいたい②③分担することが多い。とくに③の完全持ち寄りだとお互い一番負担がなく気兼ねしないので、私はこのパターンがお気に入り。 
「持ってきたものが重なるのでは?」と思いきや、意外にかぶらないのが面白くもあります。心配なら「私はサラダ」「じゃあお肉は私」などあらかじめ分担を決めていれば間違いなし!

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この日は食とワインが大好きな強者ぞろいの持ち寄りホームパーティー、テーマは「中華風」。そう、テーマを決めるとそれがぴりっとスパイスとなって、会が盛り上がるのです。

さすが料理上手の友人たち、凝った料理が並びました。

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↑こちら、皮から手作りした小籠包(!) 

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↑鯖缶とシラスと新玉葱にクラゲや海草を混ぜ込んだサラダ 

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↑膝軟骨とひよこ豆、椎茸で作った甜麺醤炒め。 

そしてプロが作る豚舌炒飯…信じがたいほどの具材の細かさ。

家でこんなに美味しい炒飯食べたことない…!

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そんな中、私が作ったのは……

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揚げ野菜の煮浸し。The 和食。

「中華といえば油!!揚げたものは中華だよ!!!」

「あったんが頑張って作ったからいいよ!」とぎりぎりオッケーもらいましたが、なんで揚げ浸し……とみんな内心思ったに違いない。

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夏野菜の揚げ浸し……それは、料理上手の母が昔よく作ってくれた思い出深き一品。いわば青春の味。
中学高校時代、ハードな部活で汗みどろになって家に帰り、夕食にしっかり冷えた夏野菜の揚げ浸しが出ると、ああ…もうただそれだけで疲れが吹き飛んだものです。そして、あまりに好きだから、学生時代に繰り返し作った唯一の料理でもあるのです。

170度の油で一度野菜を素揚げしたあと、あつあつのまま醤油とみりんベースの和風つゆにじゅっと付け込み冷蔵庫で放置というカンタン料理ですが、この「油で揚げる」という作業が、初心者にはハードルが高いのです。

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しっかり油の温度が上がるのを待って、心を落ち着けて油のなかに具材をそっと入れればいいものを、頭の中では「油=超高温=跳ねたら火傷!!」という図式がぐるぐるしているものだから、へっぴりごしで臨むことになる。
その結果、液面のかなり上のほうから食材を放り投げることになり、手や、ヘタしたら顔に油が跳ね返ってくる。
具材を無事投入しても油断は禁物、突然油が「パチパチッ」と火山みたいに爆発したりするものだから、タチが悪い。
「な゛ん゛でだよ゛ぉ゛〜〜!!(藤原竜也風)」と顔をゆがめて絶叫したくなる料理方法なのです……。

しかし、野菜にしみた油とつゆとがいい具合に絡まったその味わいは、その苦労を補ってあまりある。
たくさん作っておいて翌日食べると、さらに味が馴染んで美味しい。

そして本題に戻りますが、ホームパーティーのような場で手作り料理を披露するときに、できることなら得意料理を作りたい。
日常での食卓ならトライ&エラーが可能だけど、ハレの場で失敗作は出したくないもん。
 
自分のなかでストックしてある十八番がいくつもあれば、選択の余地があるけれど、手持ちのカードが少なくて迷ったとき、思い出すのは心と体が覚えている味、すなわち「母の味」だったりするのです。

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