『フレンチの王道 シェ・イノの流儀』出版記念ランチ会

皿に残ったソースをパンにつけて食べるのは、一般的にはマナー違反といわれる。でも。この店に来たら、はしたなくも一滴残らず舐めとりたくなる。

「シェ・イノ」のオーナーシェフ井上さんのこれまでの歩みが一冊に詰まった『フレンチの王道 シェ・イノの流儀』。出版記念の食事会に参加させていただきました。

ソースの神様ジャン・トロワグロとの出会いにより、人生が一変したという井上さん。「ソース」はひとつのキーワードとして本の中でも詳しく述べられています。驚いたのは、他のポジションは努力である程度腕を磨けても、ソーシエ(ソース担当)には「絶対味覚」が必要で、ソーシエになるためには、「味覚のセンスがすべて」という部分。ソースがフレンチの真髄とはよくいいますが、選ばれたひとのみがなれるポジションだとは……。

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事前課題として1600文字以内で読書感想文が課せられました。さすが著書『ピアノはともだち、奇跡のピアニスト辻井伸行の秘密』が全国読書感想文コンクールの課題図書にも選ばれた神山さんらしい趣向です。


20160723144704真面目にとりくんだ感想文はこちら。 
な、なんと3位入賞!さらに、ダーリンは2位!夫婦揃ってやりました!

ちなみに優勝者にはシェ・イノの食事券!

メインはもちろん仔羊のパイ包み「マリアカラス」。井上さんがパリ「マキシム」修行時代、お客として来ていた世紀の歌姫マリア・カラスへのオマージュをこめて考案されたイノのスペシャリテ。

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エシェゾーのご相伴に預かりました。いやん。まだ閉じてて恥じらい気味……でも秘めたパワーは感じられました。

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今回、飲みたい人はワインを持ち込み、近くの方と適当にシェアしよう、という自由なスタイルだったのですが、驚いたのは、そのサービス。「これ冷やしておいて頂けますか」とさした説明もせずサービスの方にワインを渡しただけなのに、正確に自分とその周りのかたに次いでくれました。30名弱のひとがいて、これだけワインがあったら、誰が何を持ってきていたか覚えておくのも大変そうなのに……さすがです。

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井上さんの海外でのはじめての修業先は、実はフランスではなくドイツ語圏。使い込んでぼろぼろになったドイツ語の辞書を見せてもらいました。年季の入った貴重な一冊。

ところどころ線や書き込みがありますが、müde(疲れた)のアンダーラインにほろり。

レストランは、日常の些末なことを一時忘れられる場所。そう、非日常の場であってほしい。どんなにフレンチが身近なものになり、ドレスコードがゆるくなろうとも、イノにいくときは、正装をして「さあ、フレンチを食べにいくぞ」と気合いをいれたくなる。それがクラシック・フレンチを貫く店の品格であり、愛され続ける理由のひとつなのだと思います。

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あ、腰に手が……