『90歳。何がめでたい』

『90歳。何がめでたい』、いま売れに売れている佐藤愛子のエッセイ本。累計90万部突破、日本出版調べの2017年上半期ベストセラーで1位だったそう(ちょうど記事を発見→佐藤愛子、村上春樹抑えてトップ 上半期ベストセラー

実家のダイニングテーブルのうえに置いてあったのを手にとって読んだ。

ご本人「ヤケクソ」というとおり、なにか振り切れたような毒舌っぷりが爽快な文章。江戸っ子の啖呵みたいに切れがよく、さらっと1時間ほどで読めてしまう。

理不尽なこと・人・世の中に対する怒りがユーモアをまとって文中に溢れている。”怒り”が生きる原動力になっているようにすら見える。

「人生いかに生きるか、なんて考えたこともない。その場その場でただ突進するのみだった」

こんな強くて思ったことをはっきり言えてがむしゃらに突っ走る、猪みたいな生き方ができたら……
かっこいいけど自分とは真逆だ。自分なんて文中に出てくる”人生相談”の相談者みたいに斬られておわりだろう。

読者層は50〜70代女性がメインというけど、31歳でも”老い”は気になる。

長生きはしたい。ようやく死ぬのも怖くなった。
でも年齢が全てではない。

「自分がわからなくなっても生きたいとは思わないなー」
「だけどそれでもいいから生きててほしいという人もいるかもしれないよ!」
「自分じゃスイッチを押せないしね……むずかしいよね」
「いやいや、死に方を考える前に、それまでになにができるか今は考えるべきだよ」

……と複数の声が聞こえる時点ですでに猪にはなれない私なのでした。

九十歳。何がめでたい

いいもん、寅年だもん。